『ダークネス』
これは酷い。つまらない映画だが、最後まで見られなくはない。だから、見たい人はケヴィン・ベーコンに最後までついていこう。なぜつまらないのか。物語に何も起こらないから。その辺の話をします。あと下記、KINENOETの解説とあらすじ、そのやる気のなさを見てください(笑)。これでも全文引用してます。ほぼネタバレってくらい馬鹿みたいに長いあらすじの時もあるのに、この差はなんだ? ちゃんと仕事しろ。こんなんなら最初からデータベースつくんなやボケ(笑)。と思います。 -2016年公開 アメリカ 92分ー
解説:「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのジェイソン・ブラムが放つホラー。(KINENOTE)
あらすじ:旅行に出掛けたピーターと息子・マイキー。マイキーは洞窟で見つけた奇妙な石を持ち帰るが、それ以来、家で怪現象が発生。実はその石には、古代の悪霊が封印されていた。(KINENOTE)
監督:グレッグ・マクリーン
出演:ケヴィン・ベーコン/ラダ・ミッチェル
仕事を選ばないベーコンさん、素敵(笑)
この映画のすごさは何? 全然すごくないところがすごい(笑)。ケヴィン・ベーコン、なんでこの作品に出たのだろうか。彼は駄作も傑作もまんべんなく出演するよね。これはかなり最近の作品だ。『コップ・カー』よりも最近だ。彼の出演作で好きなのと言ったら『トレマーズ』は絶対に外せない。あとは『ミスティック・リバー』。
で、問題のこの映画。悪霊の話だから主人公の自宅でいろいろの怪奇現象がおきる。でも、この悪霊はネイティブアメリカン? の神話的な悪霊なのだ。キリスト教の悪魔ではない。物語中、ベーコン氏の奥さんが聖書を探したと話すくだりがある。あのシーンが示唆するのは、彼らはキリスト教の信者ではないにしても、困った時の神頼み的にはキリスト教をあてにしているということ。
でも本作においての悪霊は違う宗派のやつらなんだね。だから聖書探しても意味ないし、そもそも見つからないの。いろいろあって。
驚くほど何も起こらないホラー映画。そこがすごい
最後まで飽きずにというか、呆れながらも見られたのはなぜなんでしょう。それは、この映画に対して突っ込みたいシーンがこれでもかってくらいに多いからだろう。テレビ東京の「午後のロードショー」でいずれ、放映してくれるのではないか。
ともかく、鑑賞している側にキツイのは、何かが起こりそうな予感てのがないこと。淡々と物語が続き、ラスト20~30分まで小さな動きはあるにしても、物語が大きく展開することはない。本当に、何も起こらないのよ。いや、実際にはもちろん起こってはいるんだよ。いるんだけど、退屈しちゃうくらい、やっぱり何も起こってない。動かない。
悪霊はダウンジングで探せ!
ラスト近くに霊媒師みたいな親子? が出てくる。2人とも女性。たぶん母と娘なんだろうな。その辺の説明は一切ない。ベーコン家族にこの霊媒師を紹介してくれた人たちは、この霊媒師に何かを解決してもらったみたい。でも、何を解決してもらったのかよくわからない。
この紹介者の夫婦の夫、人物描写がよくわからん(笑)。悪い人でないのは理解できる。でも、主人公に対して不倫をほのめかすようなことをしたり、自分の奥さんに対して不誠実なようなことをして、ベーコンの奥さんに指摘されたりする。でも、親切心? からこの霊媒師を紹介してくる。なんなのこれ? 支離滅裂。そういう意味で、矛盾を抱えた人間の動きとしてはリアルだ。
で、霊媒師の親子は悪霊捜索にダウンジングをするのである。ダウンジングである。あの、L字になった鉄の棒みたいなのを2本持って、地下の鉱脈とかを探すあれだ。ダウンジングである。なるほど、斬新だね。ウィキを調べると、キリスト教の異端審問でダウンジングが使われてたこともあったようだ。でもさ、この映画の悪霊はキリスト教における悪魔ではない。霊媒師たちも、キリスト教徒じゃないでしょ? いや、そうなのか? そうだったのか?
事件がなかったなら、家族は崩壊していただろう
なんかもうほんとに、何がしたかったのかよくわからない。という意味で、市井に生きる人々のリアルな日常を描いているともいえる作品だ。だって、毎日の自分の生活の中での小さな選択だのなんだのに、いちいち説明ってつけられないじゃないですか。でも、その積み重ねがある意味では、家族崩壊の要因になり得るのだ。
この家族は、自閉症? の息子があの遺跡から石ころを持ち帰ってこういう物語にならなかったら、いずれ家族の絆は崩壊していただろうなと思わされた。だから、ベーコン氏は悪霊に感謝すべきだ。すごいね、まったく。
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