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映画『桐島、部活やめるってよ』○○、人生やめるってよ

桐島、部活やめるってよ
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『桐島、部活やめるってよ』

面白いです。自分がたどってきた道を振り返らずにはいられなくなる作品。基本的に、作中の人物は自分のことをさほど語らない。で、他人から語られることによって、その本人を描写しているのである。この記事では3番目の見出し以降、イケメン宏樹君の話が中心になります。彼はこの作品の中で、どんな状況にあったのか。ネタバレしてます。 ー2012年公開 日本 103分ー

 

解説:第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウの同名小説(集英社文庫刊)を、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で第60回カンヌ国際映画祭批評家週間部門に招待された吉田大八監督が映画化した群像青春ドラマ。学校の人気者・桐島が突然部活を辞め連絡が取れなくなったことに端を発し、学校内の人間関係が徐々に変化し緊張感がもたらされる。出演は「SPEC~天~」の神木隆之介、「貞子3D」の橋本愛、「カムイ外伝」の大後寿々花ほか。劇団ナイロン100℃に所属し俳優として活動する傍ら演劇ユニットブルドッキングヘッドロックの脚本・演出を手がける喜安浩平が、吉田大八監督と共に脚本を担当。高橋優が主題歌『陽はまたのぼる』で高校生の葛藤と希望を力強く歌う。

あらすじ:いつもと変わらぬ金曜日の放課後、バレー部のキャプテンで成績優秀、誰もがスターとして一目置いていた桐島が突然部活を辞めたというニュースが学校内を駆け巡る。桐島の恋人でさえ彼と連絡が取れないまま、桐島と密接に関わっていた生徒たちはもちろんありとあらゆる生徒に波紋が広がっていく。人間関係が静かに変化し徐々に緊張感が高まっていく中、桐島とは一番遠い存在だった映画部の前田(神木隆之介)が動き出す……。

監督:吉田大八
原作:朝井リョウ
出演:神木隆之介/橋本愛/大後寿々花/東出昌大/清水くるみ/山本美月/松岡茉優 沙奈

ネタバレあり!

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ヒエラルキーってどうしてもできちゃうんだね

こないだ『愚行録』を鑑賞したのもあって、このタイミングでこの映画を見るってのも何かの縁でしょうか。高校生たちのつくりあげた階級社会が浮き彫りになっている。そこに着目して見ちゃったのは、愚行録の影響だ。

映画『愚行録』全員悪人! ネタバレ少し
仕掛けられた3度の衝撃! …だそうです。衝撃だったかどうかはおいといて、胸糞悪くなるほど出てくる奴らが全員クズ。ということで、北野武監督作品『アウトレイジ』のコピーを借りて、全員悪人というお話を。ネタバレはちょっとだけ…。

自分はあの登場人物の中の誰に近かっただっただろうか。部活はしてた。文化系でなく運動部だった。でも、勝つとか勝ちたいとかなくて(そらぁ勝ったほうがいいんだけど)、その競技が好きとかでなく、ただ放課後の楽しみのためにやってた。今でもそのスポーツを本当に細々と、蚕の糸一本分くらいな頼りないレベルで続けているけど、今の気持ちで高校時代に戻れたらもっと努力しただろうなって思うことはある。そんなん、部活に限らず全部そうだよね。

ということで、階級社会的なところで見ていると、あの文化系の地位の低さってなんなんだろうね。あの学校は進学校なのだろうか。俺はレベルの低い高校に通ってたので、文化系の部活はもっと影がうすかったやも。

 

文科系の部活が選ばれづらいのはなぜか

ああして表現されているのを見ると、映画部とか楽しそうだなとか、俺もサックスやってみたかったなぁとか思わされて、何が自分を運動部に向かわせたのかって考えちゃう。たぶん頭が悪いから文科系のやることについていけないと感じていたのと、モテたかったんだろう。運動部の目立つやつらと一緒にいることで、自分も前のめりな学校生活を送りたかったという。そう考えると何の目的もなくて、ただ典型的な高校生活送りたかっただけ。しかもその生活自体が中途半端だった。本当に何の目標もない少年だったんだなぁって思う。

若い頃にのめり込むものが見つかるっていいよね

で、この作品における主人公的人物は、前田っていう映画部の部長か、宏樹っていう背の高いイケメンだね。まずはあの部長、すごいなぁって思った。彼は別に、映画監督になることを夢見ているわけではない。仮に夢見たとしても、彼自身、それがかなうとは思っていないから。あの時点で諦める必要なんてないんだけど、そういう人なんである。

でも、彼は、映画がつくりたくて、実際つくっている。楽しく仲間たちと一緒に、一生懸命やっている。夢だろうがそうじゃなかろうが、あの年代の頃に夢中になれるものがあるってのは、本当にいいことだと思う。羨ましい。

映画『ラ・ラ・ランド』みんなで夢をかなえよう!
2017年4月までに公開される映画で見たい作品の一本だった本作について。ミュージカル苦手な人間でも見て面白いのか? 結論から言うと、面白かった。やっぱ映画館で見ると全然作品の印象って変わるわな。とうことで、主に夢をかなえるってことについて語ります。

だから、ラストで彼と絡むことになる宏樹のほうは、半泣きになるわけでしょ。自分には何もないから。生きていることに何も意味を見いだせないから。宏樹って、なんで桐島とかいうのにあんなに振り回されているのかが、俺にはよくわからなかった。

だって、この子も何でもできるじゃん。万能じゃん。桐島ってのはこいつを凌駕しちゃうくらいすごい奴だったのだろうか。じゃないと、あそこまで宏樹が桐島を気にすることの理由がよくわからない。

人生に意味なんてないって実感しちゃった

ともかく、この何でもできちゃうしモテモテの彼は、実は何もやりたいことがなくて、何を頼みに生きているのか自分でもよくわからなくなっちゃってるんだな。でも、それはそれで、すごいと思う。だって、まだ高校2年なんだし。個人的な体験で言うと、人生に意味がないことなんて、うすうす分かってたくせにそれに向き合わずに生きていたので、宏樹みたいな感じになったのって、20代後半だったから、俺の場合。宏樹のがパイセンなんです。俺は彼より10年くらい遅れて生きてる(笑)。

彼はあの年で死なない限りは生き続けなきゃならない。でも、きっと20歳になる頃には、自分自身の生き方を決められると思う。そもそも頭がいいんだから、自分の頭で考えて、どうやって身を振るのかを自分で決められる。彼はあの映画部長とのちょっとしたかかわりで、成長しているわけだし。

もともとなんでもできる人がやりたいことを決めたら、まさに無敵だ。そう考えると、彼があの時点で人生の虚しさというか倦怠感に気付いたのって、すごくいいことだったのである。きっと、何かの分野で大成する人になれるんじゃないだろうか。

もちろん、生きることを続けるのならではあるが。ラストを見る限りでは前向きに動き出しそうではあった。

 

映画『アズミ・ハルコは行方不明』ネタバレ感想 結末は爽やかです
とても面白い映画でした。蒼井優が非常にキレイに撮れていて、そこがまずイイ。高畑充希は初めて見たけども、バカっぽいキャラに非常にはまっていた。この作品は人生を半分降りた女性たちの話だと思わされたという、個人的感想を。ネタバレあり。―2016年公開 日 100分―

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