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映画 ビースト ネタバレ感想 韓国の刑事2人の対立と猟奇殺人犯の捜査と隠ぺい工作

ビースト
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元相棒同士だった刑事が、ある連続猟奇殺人を合同で捜査することに。いがみ合いつつも犯人に迫っていく中で、お互いが出世のために悪事を隠そうとするなど汚いこともやってたら、後戻りできないほどにドツボにハマって行く。果たしてどうなっちまうのか――。いろいろな要素を詰め込み過ぎて長尺になっちゃってるが、それなりに楽しめる作品。ネタバレあり。

―2021年公開 韓 130分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「ベストセラー」「さまよう刃」のイ・ジョンホが監督を務め、フランス映画の「あるいは裏切りという名の犬」をリメイク、韓国ノワールへと昇華させたクライム・サスペンス。かつて相棒だった二人の刑事。男たちは韓国中を震撼させた連続猟奇殺人犯を追っていた。事件解決のためなら手段を選ばないハンスと、冷静沈着なミンテは、警察組織の中で昇進をかけた熾烈な争いを繰り広げる。だが、二人の執念と野心が激突したとき、彼らの“正義”は思いもよらない破滅への引き金となり、自らの運命さえ標的にしてしまう。警察権力と裏社会、刑事と容疑者、約束と裏切りのすべてが絡み合い、物語は驚愕のフィナーレを迎える。「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」で青龍映画賞や大鐘賞など多数の主演男優賞に輝いた実力派俳優イ・ソンミンと、「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」「野球少女」に出演するカメレオン俳優ユ・ジェミョンが共演。「白頭山大噴火」など話題作に出演するチョン・ヘジン、「タイム・クライム」のチェ・ダニエルが脇を固める。(KINENOTE)

あらすじ:仁川(インチョン)で猟奇殺人事件が発生した。かつて相棒同士だった、捜査1班を率いるハンス(イ・ソンミン)と2班を率いるミンテ(ユ・ジェミョン)は、昇進をかけて捜査に臨む。早々にハンスが容疑者を逮捕したが、冤罪を確信したミンテが独断で釈放したことで捜査は混迷を極め、また二人の溝は深まっていく。その頃、情報屋のチュンべ(チョン・ヘジン)に呼び出されたハンスは、猟奇殺人事件の情報を提供する交換条件として、殺人の共犯になるように要求されていた。突然、ハンスの拳銃を奪い、待ち伏せていた男を射殺したチュンベ。予測不能の殺人事件に巻き込まれたハンスは、チュンベの隠蔽工作に加担することを余儀なくされる。チュンべからの情報でハンスが容疑者のアジトを突き止め、事件は解決へ向かうかに見えた。だが、チュンベと海に沈めたはずの車が引き揚げられ、凶器に使われた拳銃の銃弾が発見されてしまう。焦燥を募らせていくハンスの姿をミンテは怪しみ、疑惑の目を向け始める──。(KINENOTE)

監督・脚本:イ・ジョンホ
出演:イ・ソンミン/ユ・ジェミョン/チョン・ヘジン/チェ・ダニエル

ネタバレ感想

あるいは裏切りという名の犬のリメイク!?

引用した解説によると、フランス映画の『あるいは裏切りという名の犬』のリメイクだそうだ。マジか。全然気づかなかった。あの作品は実話を基にした物語で、警察署内の権力争いかなんかの話だったような。そんで、主人公ともう一人の刑事がいがみ合ってて、ラストのほうがなかなかツライ展開だったような…。

もう10年以上前に鑑賞した作品だったので細部はほとんど覚えてない。けど、本作の大筋は警察署内の権力争いや出世競争の話なんで、リメイクと言われれば確かに納得できるものではあった。ただ、鑑賞中はまったくそのことに気付かなかったのだ。

それはなぜかと考えるに、この作品ではオリジナルにさらに猟奇連続殺人犯の捜査という要素も挿入されているからだと思われる。それ以外にも、いろいろな要素をつけ足しているんではないか。そうやって、大幅に内容を変更しているようだ。

殺人事件の捜査に出世争いやら何やら、いろいろなことが起こる

大筋は刑事のハンスと、彼の元相棒のミンテが連続猟奇殺人事件の犯人を1班、2班に分かれて捜査する話だ。しかし、この二人は過去に何があったのか知らんけど、元は相棒同士だったのに今は反目している。そしてお互いに上層部、ハンスは直属の上司、ミンテは別部署の誰かに焚きつけられて、殺人課の次期課長になりたいなら、この捜査を成功させろと言われているのだ。

大筋はこれだけ。なんだけども、ハンスは情報源であるスナックのママや、薬の売人をやってた女性などど捜査とは別件でいろいろあって、刑事としてやってはいけないようなことをしちゃってる。

一方のミンテは連続猟奇殺人の捜査中にミスがあって、別件の事件捜査に回されちゃって、忸怩たる思いがある。で、その別件を捜査してたら、どうやその事件にハンスが関わっていることがわかるのだ。さらにはそのミンテのミスというか、彼が独断で行った強硬な捜査手段によって、中国系のマフィアまでが関わってきちゃう。そんな感じに、ともかくまぁ、書くのが面倒くさいくらいに、いろいろな要素が詰め込まれながら、物語は劇終へ向かっていくのだ。

この辺のスリリングさはオリジナルに劣らないというか、勝っている部分もあると思えるくらいの出来。さすが韓国映画だなって思わせる。特に、ハンスが自分の罪を隠すために、拳銃の弾薬をすり替えるシーンは、なかなかことがうまく運ばなくて、イライラ、ハラハラする。

ただ、いろいろな要素を詰め込み過ぎたせいか、物語がわかりづらくなっているし冗長な感もあって、中盤以降は少しダレたような感じも。

殺人事件の隠ぺい工作が適当すぎ

まぁともかく、ハンスは捜査をそれなりに進展させながらも、裏では自分の罪を隠蔽するために必死こく。その陰謀がミンテの知るところになってからは、焦りまくりで表情がドンドンと暗くなっていって、自身の進退も含めてドツボにハマっていく。その様は、なかなか哀れではあるが、自業自得。

そもそも、自分の拳銃で人殺しが起きてるんだから、その死体が見つかったら自分に嫌疑がかかるのなんて、刑事だったら絶対にわかるはず。それなのに、疲れてたのか動転したのか面倒だったのかようわからんが、死体を車ごと海に捨てるという適当な処理ですましちゃう。

そんなことせんで、最初っから弾丸を死体から無理やり摘出するとかそんくらいの努力は必要だったんではないか。それなりに有能な刑事の割には、その辺が残念。

ハンスとミンテの過去が知りたいのに…

ついでに不満を言うと、ハンスとミンテの確執についても、過去に何があったかがほとんど語られないから、何が原因なのかわからず、そこも物足りない。

敵のアジトにいろいろあって乗り込んでいくシーンで、この二人は少しだけ過去の共闘時代を思わせるコンビネーションを見せたりする。だが、それ以外は足の引っ張り合いというか、お互いのやることに対して罵りあっているだけ。

要するにそんだけ憎み合っているんだろう。だったら、その原因が何だったのかを少しは説明してくれたほうが、物語にさらに奥行きが出たんではなかろうか。

あと、ハンスはミンテが独断でやった強硬的な手段について、上には詳細を報告しないでいたらしい。これはハンスなりの友情的な行為か、それとも仲間意識から出たものかはわからぬが、一方のミンテはハンテを裏切り、最終的には死なせる道を選ぶ。ラストの彼の直属の部下から投げかけられた皮肉を、彼は死ぬまで背負って生きていくのか。それとも内面ではほくそ笑んでいるのか、その辺はよくわからん。

てなことで、中だるみするところや詰め込み過ぎ感はあったけど、面白い作品ではあった。ハンスの奥さんがとばっちり過ぎて『セブン』級に気の毒だが。

そういえばこの監督は『さまよう刃』って作品も撮っていて、このブログでも投稿した自分の感想読み直してたら、そこでも長尺だって腐してたので、そういう作風の監督なのかもね。

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なかなか重たい内容で、娘を亡くした父の怒りや執念はよく感じられるし、罪の意識が薄い少年たちの言動に腹が立つ。鑑賞している間に、こんなクソガキども、ぶち殺したってかまわぬ――と思った。そして、少年犯罪に対する法律の行き届かなさなどは、現実の日本においてもそうなんだろうなと思わされる。
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非常に面白く観たが、スッキリというよりはズ~ンとくるラストだし、出てくる人がムカつくやつらばっかりなので、万人におすすめできるような内容ではないかも。ネタバレは少なめで、結局は何がいいたい話だったのかということについて、自分なりの考えを述べます。 ―2011年 韓 119分―
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暗い内容だけど犯人含めて登場人物それぞれに個性があって、何回見ても面白い作品です。娼婦の館みたいなとこの店長に事情聴取をするシーンがありまして、ミルズが店長に聞きます。「あんな所で毎日のように人の出入りを見続けて、何が面白いんだ?」。すると店長、「面白くなんてねぇよ。だけど、それが人生だろ?」。嫌だなぁ・・・。ネタバレあり。

 

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