パンドラ
津波の描写をしてないことを除けば、既視感覚えるほどに現在進行形である福島の原発騒動を想起させる作品。ネタバレあり。
―2015年製作 韓 136分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「パンドラ」を演出したパク・ジョンウ監督は「公開まで4年の歳月が流れた作品で、どの作品より意味がある。国内外でイシューとなっている原子力発電所の現実に関心をもってもらえたら、安全な世界がやって来るのでは、と考えた。世界は、私たちが考えるよりずっと希望に満ち溢れているという思いから、この映画を披露することになった。次世代にどのような世界を引き渡さなければならないのか、再考するきっかけになればと願う。(doramaset.com)
あらすじ: 史上最大規模の地震に続き、朝鮮半島を脅かす原電事故!予告なしにやって来た韓国での前代未聞の災難の中、最悪の事態を防ぐため、平凡な人々の死闘が始まる!(doramaset.com)
監督:パク・ジョンウ
出演:キム・ヨンエムン/ジョンヒチョン/ジニョンイ/ギョンヨンカン
ネタバレ感想
この映画は2015年に製作されたそうだが、その存在をまったく知らなかった。韓国ではかなりの観客を動員したらしい。あちらの国は国土が狭いから、原発事故が起こると日本以上に混乱することが示唆されていた。だからこそ、隣国の原発事故を知っている韓国の人たちは、それなりの興味を持ってこの作品を鑑賞したのかもしれない。
にしても、放射能から逃げるため、各交通インフラに人間が群がっている姿を見るのはきつい。あんなパニック状態のところに自分は身を置きたくないと思ってまう。国境があるから無理なんだろうけど、北側の国境線に群がる人がいる描写はなかったなぁ。そういうもんなんだろうか。それとも俺が気付かなかっただけか。
いずれにしても冒頭で紹介したように、現実に起こった福島の原発事故を思わせる作品であった。なんか、本当に嫌だよね。どうして天災だけでも大変なのに、人災によって被害が拡大しちゃうような事態が引き起こされてまうのかと考えるに、それは今の社会が資本主義にどっぷり浸かっちまっていることが要因の一つだと思う。そう思います。
国として経済的破綻を起こさないためには、今あるインフラを止めることは、死活問題というわけだ。事故が起こっても、その後の生活の安定のためにリスクを犯す選択をとりたがる奴らがこれでもかと描写されるけども、ホント迷惑だよな。
どうして今ある便利さを捨てるという選択肢を想像できないのか。なぜ、捨てることによって、あらたな利便性のある何かを発明するだろうと期待できないのか。これは自分のことも含めて、人間の理解に苦しむ点の一つだ。一度、自分たちの先祖がもともとは狩猟採集民だったことを思い出してもいいような気がするんだが。文明になんて頼らずに幸せに暮らしていたんだぞ。――話が飛躍しててよく意味がわからんと思うけど。
↓こちらの記事で、上記のようなことを少し説明してます。
2011年からもう7年も時がすぎていて、当時の記憶があいまいになっている今日この頃、あの原発事故のこと、俺は当時、あまり当事者意識を持ってなかったように思う。そのときまさに、テレビ画面でヘリコプターが建屋に放水している映像を見ているにも関わらずだ。
それとはあんまり関係ないけど、地震当日、帰宅手段がなくて、コミュニケーションがほとんどなかった同僚たちと、上司に連れられて飲みにいったのを覚えている。そこで話していた話題は地震のことよりも、仕事のことだった。
で、話しているうちに、以前解雇に近い形でやめることになった先輩の話を上司がしたことをきっかけに、俺は上司をこき下ろす暴言を吐いたのを覚えている。なぜならその上司が、解雇に関与していたからだ。よく考えるとあれが、あの会社を本気で辞めることを決めたきっかけの一つになった。上司に暴言を吐いたことについて後悔はしていないし、むしろスッキリしたが、酒が入ってというのはいかがなものか。アル中かよ(笑)。
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