土と血
―2020年製作 仏 80分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:何十年もの間、アルデンヌ地方の山間部で前科者や非行少年たちを雇い、製材所を営んでいる父と娘の前に犯罪組織が現れて、順調だった生活に暗雲が立ち込める。(filmarks)
監督:ジュリアン・ルクレルク
出演:サミ・ブアジラ/エリック・エブアニー/サミ・セギール/ソフィア・ルサフール
ネタバレ感想
超適当なあらすじ
製材所を営んでいる男(名前忘れた)は事業規模を広げたせいか借金を背負っている。しかも肺がんが判明して余命も少ない。彼は製材の仕事に入れ込んでいた。従業員は過去に前科がある人間が多く、彼は製材所の親分として彼らを正当に扱い、給料もきちんと支払ってやっているので慕われ、頼りにされているようだ。
しかし、余命が少ないことがわかったため、仕事に入れ込んでいる生活から引退し、愛する娘の将来に目を向けるようになる。娘のサラは聴覚と発話に障害があるらしく、手話でしか意思疎通ができない。主人公は娘を案じて製材所を知り合いの業者に売り払い、彼女が将来身を立てられるように学費を工面する。もちろん、新たな雇い主には従業員を解雇しないで雇い続ける約束も取り付ける。
ところがある日、主人公がかわいがっていた従業員の一人(名前忘れたのでA)が、大量の薬物を工場に隠していることを知る。その薬物はある犯罪集団が警察署に乗り込んで盗んだ物で、しかもそのブツをAの兄貴がちょろまかして、弟のAに預けていたのだ。
ことの重大さを知った主人公は、犯罪集団が乗り込んでくることを悟り、一人ショットガンを装備して喧嘩の準備を始める。それは愛する娘を守ることを決意したからゆえの行動だ。そして、間もなくすると犯罪集団が彼の製材所に乗り込んできた。主人公はAにサラを託し、自分は犯罪集団との喧嘩に挑む。果たしてどうなってしまうのかーーというのが超適当なあらすじ。
悶々としてくるバイオレンス作品
何の気なしに見てみたんだけど、何とも運の悪い男である。基本的に善人で従業員に対してもいい親分なのに、Aとその兄弟がボンクラだったために、愛する娘を危険にさらすことになってまう。しかも、それ以前に借金背負ってるし、余命が短いし、であるから泣く泣く製材所売ることになるし、踏んだり蹴ったりなのに事件に巻き込まれたせいでさらに寿命が縮まることに。
しかも、金にしようとしてた製材所が犯罪者集団との戦場になってしまったせいで、一部は燃やされちゃうし、機械も銃弾浴びまくってるし、稼働停止状態になっちゃっただろうから、売却できないんではないかと想像できる。唯一、娘を生き残せたことだけが救いで、なんとも暗くて悶々としてくるバイオレンス映画である。
主人公はものすごい度胸のある男で、銃の扱いもうまく、人を殺すことにためらないがない人間だ。これは過去にいろいろあった人間なんだろうなと思わせるんだけど、そこの描写はない。その辺もう少し掘り下げがあったら、この主人公にさらに感情移入ができて楽しめたんじゃないかなと思うので、そこはもったいないところだ。
で、敵対する犯罪者集団はけっこう間抜け野郎で、主人公の頭脳戦略によって、一人また一人と製材所の染みに変えられていく。製材所に火をつけるならさっさとやれよと思ってたんだけど、ブツを回収してなかったから、ためらいがあったのだろうか。というか、犯罪者集団のボスは弟を殺されちゃったことで当初の目的がどっかにいってしまってて、結局ラストまであのブツはどこに行ったのかわからずじまいというか、途中から存在が消えてしまっているのはいかがなもんか。
ということで、可もなく不可もない、しかし、暗く悶々としてくる作品だった。ネットフリックスで鑑賞できます。
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