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映画 オアシス ネタバレ感想 ムンソリとソルギョングの演技がすごい

オアシス
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オアシス

―2004年公開 韓 133分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:前科者の青年と脳性麻痺の女性が、お互いの愛をどこまでも純化させ貫く姿を痛ましくもピュアに描いた衝撃のラブ・ストーリー。監督・脚本は「ペパーミント・キャンディー」のイ・チャンドン。2002年ヴェネチア国際映画祭で監督賞と新人賞(ムン・ソリ)を受賞。出演は「ペパーミント・キャンディー」のソル・ギョングとムン・ソリ。2019年3月15日よりHDデジタルリマスター版が公開(配給:ツイン)。(KINENOTE)

あらすじ:暴行、強姦未遂に続いて、今度はひき逃げ事件による2年6ヵ月の刑を終えたばかりの青年ジョンドゥ。出所して家族のもとに戻った彼を、誰も快く迎えてはくれず、疎ましい感情を隠そうともしない。ある日、ジョンドゥはひき逃げで死なせてしまった被害者の遺族を訪れる。しかし、一家は引越しの最中で、部屋にはコンジュという女性一人が取り残される。彼女は重度の脳性麻痺のため手足が不自由で、発語にも重い障害を抱えていた。兄夫婦は彼女の名義で障害者用の大きなアパートを手に入れ、そこへ移って行ってしまったのだ。ジョンドゥはひとりぼっちのコンジュのことが気になり始め……。(KINENOTE)

監督・脚本:イ・チャンドン
出演:ソル・ギョング/ムン・ソリ/アン・ネサン/チュ・グィジョン/リュ・スンワン

ネタバレ感想

イ・チャンドン監督の描くラブロマンス。この監督の作品は確か三作品目なんだけど、俺には一番わかりやすく、中身も素晴らしいなと思える作品だった。

まず凄いのが、主演二人の演技だ。ソル・ギョングが演じたジョンドゥは強姦未遂などの前科持ちで、社会不適合者。彼は家族から疎まれる存在なんだけども、彼の言動を見ているに、なんらかの障害があるんではないかと思えてしまう。

という意味では、もともと社会的弱者として人生を歩んできた男なんじゃないかと考えられる。で、そんな彼がひき逃げ事件の罪を償うためにムショから娑婆に帰ってきたところから物語は始まる。こういう爪弾きもののジョンドゥではあるけども、実は家族思いであり、気が優しいところもあって、それがコンジュとの恋愛につながっていくわけだ。

この物語を鑑賞し終えて、実はジョンドゥの前科も何かの間違いが起こったことで、犯罪者としてのレッテルを貼られてしまっていたんではないかという予測もできる。いずれにしても、こうした役柄を演じたソルギョングがすごかった。

さらにそれ以上にすごいのは、コンジュを演じたムン・ソリだ。俺は最初、障がいを抱えている人が演技できるなんてすごいなーと思ってたんだけども、彼女が空想の中で健常者としてジョンドゥと接するシーンを見て、「ああ、役者が障がいを抱える人を演じているんだな」ということがわかって驚いたのである。マジであの演技はすごい。しかもなかなか覚悟がないと、この役は引き受けられないでしょ。見事だ。

この物語では、そこいらに転がっているお涙頂戴な糞恋愛映画とは比べられないほどに重く、しかしピュアで心に染みる恋愛が繰り広げられており、ラストにはほんの少しの希望も感じられる構成になっている。安易に人が死んだりしないし、ご都合主義的にハッピーになれたりもしない。そこが素晴らしい。

さらに、障がい者や前科者の身内たちが、その相手に対してどのような扱いをしているケースがあるのかという社会的問題も絡めており、特に前者のそれはかなり人格疑ってしまう行為が行われているものの、その加害者たる身内も、コンジュのことをある程度は大事に思っているし、後ろめたさを感じているところに、やりきれなさがあり、他人事ではないなと思ってしまう。

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過去に帰りたい、戻りたいと思う破滅的な人生を歩んできた男の、too late な物語。ネタバレあり。―2000年公開 日=韓 130分―
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内容はよくわからないけども、原作の春樹っぽさというか、そのテイストはうまく残したまま、イ・チャンドンの描きたい世界をきちんと描写できているんだと思う。

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