愛に目覚めて
―1995年製作 香 79分―
あらすじ・スタッフとキャスト
愛の無い結婚生活を送る刑事は、大酒と仕事に生きる日々を過ごしていた。だが、重傷を負ったことをきっかけに、彼は妻との関係や自分自身を見つめ直してゆく。(Netflix)
監督:ジョニー・トー
脚本:ヤウ・ナイホイ
出演:ラウ・チンワン/カーマン・リー/トゥオ・ツォン/ホァリー・チャン/ワイルビー・ウォン
ネタバレ感想
まったく存在を知らなかったジョニー・トー監督作品。ウィキペディアとかKINENOTEとかにも掲載されてなかった。何の気なしにネットフリックスを探していたら見つけたのですぐに鑑賞してみた。
尺が短い割には濃厚さのある味わい深い映画であった。自分がジョニー・トー監督が好きなのでかなり甘目に評価しているにしても、それなりに楽しめた。そして、この作品のラウ・チンワン演じる刑事は、今作の数年後に同監督により製作される『暗戦デッドエンド』で彼が演じる刑事に通じるところがあるように感じた。
どちらも仕事人間であることは一緒。前者のほうが女関係においてはどうしようもない人間なんだけど、違いはそのくらいしかない――と言えなくもない。て考えるに、今作のラウチンワン演じる刑事が仮に独身で仕事だけの人間だった場合、『暗戦』の刑事ような人間になっていたのかもしれぬと思わされた。
てなことで、どうしようもない刑事が奥さんへの愛に目覚めていくお話。ベタな展開で、さほど俺好みの話ではないんだけども、ジョニートー監督が撮ると楽しめるんだから、不思議なもんである。味覚と嗅覚のおかしくなった刑事がベッドでミカンとかむさぼるシーンと、ディナータイムにブチ切れてテーブルひっくり返すシーンは笑える。
あとさ、主人公が最初の事件をうまく解決できなくて、その際に仲間を救えずに死なせてしまった責任を負わせるような形で部下を一人左遷するじゃん? 彼は何であのまま放置だったんだろうか。主人公は怪我から回復後、それまでひどい接し方してたなと思った奴には罪滅ぼしっぽいことしてるのに、過失とは言え、あの部下に対する扱いはひどくないかね。間接的に仲間を殺してしまったことは許せなかったのだろうか。その辺はよくわからん。
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