ローンウルフ 真夜中の死闘
狼男vs盲目おじさん。ツッコミどころはけっこうあるけど、筋の通った生き方をしたおっさんの、息子に対する愛情表現がなかなか泣けるし、カッコいい一匹狼の生き様を描いたハードボイルドな作品ではあった。ネタバレあり。
―2014年製作 米 96分―
解説:アルゼンチンの鬼才、アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ監督によるアクションホラー。盲導犬と共にとある田舎の老人居住区域に引っ越して来た盲目の元軍人・アンブローズ。翌日、彼は隣人の老女の異変を知り…。【スタッフ&キャスト】監督:アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ 製作:マリク・アリ プロデューサー:ブレント・クンケル 脚本:エリック・ストルツ 出演:ニック・ダミチ/イーサン・エンブリー/ランス・ゲスト/エリン・カミングス(KINENOTE)
監督:アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ
出演:ニック・ダミチ/イーサン・エンブリー/ランス・ゲスト/エリン・カミングス
ネタバレ感想
適当なあらすじ
高齢者の居住区に引っ越してきた退役軍人の盲目おじさんが、引っ越し初日の夜中、謎の存在から襲撃を受ける。隣人と愛犬を殺されたおじさんは、一か月後の満月の夜に、再び謎の存在が現れることを予期し、一人、喧嘩の準備を始めるのであった――というのが適当なあらすじ。
盲目おじさんvs狼男
冒頭、隣人のおばさんが現れて、「きっとこの人は主人公とそれなりの交流があってから、物語展開のために犠牲になるキャラなんだろうな」と思っていたら、挨拶程度の交流で狼男に惨殺されてもうた(笑)。狼男はその勢いで主人公のおじさんの家も襲撃し、彼の愛犬に致命傷を負わせる。
このいきなりな展開にまず驚いた。で、このまま盲目おじさんと狼男の血まみれの戦いが繰り広げられるのかとわくわくしていたら、そうはならない。いろいろあって、おっさんは1ヶ月後の満月の夜の襲撃にそなえ、銃器の整備と弾薬の備蓄、肉体の鍛錬を始める。そして、家の中で戦うことを想定した喧嘩の準備を始めるのである。
その間に、引っ越してきた居住区の人間関係やら息子との関係やらが描かれ、この親父が一匹狼的な生き方をして、死に場所を求めていることがわかってくるのだ。その辺の描写は淡々としていて大した盛り上がりはない。
盛り上がりがないといえば、最後の決戦もさして盛り上がりはない。思わせぶりな神父は狼男になる男のことを救おうと努力はしていたそうだが、彼の存在を隠していたことで結局は被害が拡大しているわけだし、何を目指していたのかよくわからんかった。
狼男本人も、犬を殺すことで自分の力を抑制していたようだが、けっきょくはそれにあらがえず満月の夜、再び狼男になる。しかも今度は、何人かの手首に噛みつくことで、ゾンビのように相手を感染させて、狼人間を増やすのだ。それができるならもっと前からやっとけやと思わぬでもない。
盲目親父も喧嘩の場所を自宅に選んでいたのに、最初の戦いは全然別の場所になってるし、そもそも、数週間だけ体を鍛えても、今さら感はなくもない。さらに、あんだけ執拗に掘り続けていた墓穴。俺は自分が犬とともにあの中に入ることを想定して掘っていたのかと思ってたけど、対狼男用の落とし穴だったらしい。あまり効果はなさそうだったが(笑)。
と、ディスりまくっているけど、筋の通った生き方をしたおっさんの、息子に対する愛情表現がなかなか泣けるし、カッコいい一匹狼の生き様を描いたハードボイルドな作品ではあった。
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