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映画 ラストタンゴインパリ ネタバレ感想 マーロンブランドがよろしい

ラストタンゴインパリ
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ラストタンゴ・イン・パリ

訳ありの中年男と若い女が名を明かさずに関係を持ち続けていたが、やがて別れの時が訪れそうな感じになって…。ベルトリッチ監督作、マーロンブランドのすごみが味わえる作品。ネタバレあり。

―1972年製作 伊=仏 129分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:イタリアでは公開後四日にして上映禁止処分を受け、各国でも芸術かワイセツかで大きなセンセーショナルを起こした「暗殺の森」のベルナルド・ベルトルッチの問題作。製作は「カンタベリー物語」のアルベルト・グリマルディ、脚本はベルトルッチとフランコ・アルカッリ、撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽はガトー・バルディエリ、編集はフランコ・アルカッリが各々担当。出演はマーロン・ブランド、マリア・シュナイダー、ジャン・ピエール・レオー、マッシモ・ジロッティ、マリア・ミキ、カトリーヌ・アレグレ、ミニ・パンソン、マリー・エレーヌ・ブレイラ、カトリーヌ・ブレイヤ、ルシェ・マルカン、ジャン・ルック・ビドーなど。2019年3月16日より4Kデジタルリマスター版が公開(配給:コピアポア・フィルム)。(KINENOTE)

あらすじ:ある冬の朝、パリのアパートの空室で男女が偶然に出会った。中年の男ポール(M・ブランド)と若い娘ジャンヌ(M・シュナイダー)は、お互に興味も持たず室内を点検していたが、間違い電話に刺激された男の強い腕がジャンヌを捕えた。行為が終ったあと、二人は何事もなかったように別れた。ジャンヌにはTVプロデューサーのトム(J・P・レオ)という婚約者があった。いまトムは、彼女を主人公に「少女の肖像」というドキュメントを製作している。ジャンヌはあのアパートでの悪夢にも似た一瞬の暴力が忘れられなかった。彼女は憑かれたように再び部屋を訪れた。彼女がひそかに予想していたように、ポールがいた。彼は提案した。ここにいる間はただの男と女。名も知らず、過去も一際明かさない。ここではセックス以外存在しない、と。ジャンヌはこの異様なアバンチュールに身を投じた。二人は孤島のようなアパートの一室で会い、オスとメスになって肉欲に身を焦がす。ポールは下町で簡易ホテルを経営していた。彼の妻ローザは自殺し、彼にはその理由が分らなかった。彼は、妻と肉体関係を結んでいたホテルの住人マルセル(M・ジロッティ)を訪れ、妻の話を聞いた。妻は自分よりもこの男を愛していたようだ。ポールはただ妻の肉体を恋こがれた。一方ジャンヌは次第に耐えられなくなってきた。ポールとの“隔絶した肉欲の時”とトムとの自然な愛の流れの使い分が困難になってきたのだ。この不思議な契約が消滅する日がきた。彼女は呪縛から解放され、トムをともない新しい生活の場としてこの部屋を見直した。その帰り道、ポールはジャンヌを待ち伏せていた。彼女はポールにはっきり宣告しなければならなかった。昼間のダンスホールは社交ダンス・コンテストが開かれていた。タンゴの曲が流れ、二人は酒に酔いしれた。逃げるジャンヌを、ポールは執拗に追い、彼女の家へ押し入った。恐怖がジャンヌを支配した。彼女は父の遺品の軍用ピストルを握り、ポールに向けて発砲した。やがてポールはベランダに崩れ折れた。「私はあなたを誰か知らない……」ジャンヌはうわ言のようにいい続けていた。(KINENOTE)

監督:ベルナルド・ベルトルッチ
出演:マーロン・ブランド/マリア・シュナイダー

ネタバレ感想

ベルトリッチ監督作

U-Nextで見つけて初鑑賞。ベルトリッチ監督作は『ラストエンペラー』がメチャクチャ好きで何度も観てるんだけど、実はそれ以外の作品を観たことがなかった。そしたら、U-Nextで何本か配信されてたので、鑑賞したのである。

『ラストエンペラー』以外ではこの作品しか観たことない人間が適当なことは言えないが、同監督の他作品のストーリとかを観る限り、この監督は男女の愛欲とかそういうものを探求・表現するのが好きな監督だったぽくて、『ラストエンペラー』のが異色な作品なのかもなぁと思った。

超適当なあらすじ

ということで、この作品においては、マーロンブランドの演じる男が何とも特異な奴で、生きることに絶望していて退廃的な生活をしているのだ。で、こいつが部屋探しをしてた若い女と、その内見先の部屋で強引にセックスしたら、相手のほうも何でかその出来事が忘れられなかったのか、この部屋を借り上げ、暇時にこの場を使っては、セックスを繰り返すという奇妙な生活を始める。

男のほうは女に条件をつきつける。お互いの過去や出自を話さないし、名前も明かさないという。それに従った女ではあったが、謎めいた男のことが気になり、彼の素性を探ろうとするも、彼はそれを拒否。そして、女の背景にも興味を持たないのであった。

なぜ男がそんなことを望むのかは謎。どうやら、妻の自殺が彼を絶望させたようなのはわかる。妻は男が経営するホテルに住みついてるオッサンと不倫をしてたようで、そこが男にとっては苦悩の一つになっているようだ。つまり、自分のことを妻は愛していなかったし、なぜ彼女は自殺したのかがわからず、しかし彼女の存在を求めていることが、若い女との奇妙な生活によって多少の慰めになっているらしい。

一方の女のほうは、フィアンセがいるにも関わらず男とも関係を持っていて、男が何者なのかを知りたいと思う程度には愛情を感じているらしい。しかし、その生活は長く続くことなく、彼女は奇妙な生活から決別することを決意する。

その時点になって男と女の立場は逆転。男は彼女なくしては生きていけない気持ちになってしまっていて、ついには自分の素性を吐露することになり、彼女に求愛するのだが、そのストーカー的異常性に恐怖した女は、彼を射殺してしまうのである。彼女は男の名を知ることもなく、自らの手で決別したのであった。てな感じが超適当なあらすじ。

終盤からが面白い

ラスト近く、男が彼女をなくてはならない存在と認めてから、立場が逆転してからが、この作品の面白いところだ。けっきょく、孤独を共有したかった相手に男は拒絶され、孤独の中で死んでいくことになる。この辺は、オスの立場の俺から観ると、何とも男のダメさ加減を描けてるように見えて、身につまされた。もちろん、すべての男性がそうであるなんてことは言えないのだが。

いずれにしても、男を演じたマーロンブランドがとても良い。けっこうな歳だと思うんだが、寝そべった状態から逆立ちしつつキレイに立ち上がったり、ヌルヌルとした動きで華麗にタンゴを踊るシーンは白眉。『ゴッドファーザー』と同じ年に今作に出演してるらしいんだが、実に素晴らしい役者ぶりであったなぁ。

映画 ラストエンペラー ネタバレ感想 コオロギのラストが悲しい
中国は清王朝の最後の皇帝となった、愛新覚羅溥儀の生涯を描いた歴史ドラマ。坂本龍一の音楽をバックに繰り広げられる彼の激動の人生が、ドラマチック過ぎて、とても素晴らしいのである。
映画 リバティーン ネタバレ感想 ジョニーデップ演じる梅毒詩人貴族
ジョニー・デップが飲んだくれ詩人で貴族のロチェスター伯爵の生涯を演じた伝記映画。前半のロチェスターの才気溢れる振る舞いや、常識にとらわれずに物事を考えているが故に、王や母、妻のような俗物的な人間とのコミュニケーションがうまくとれずに苦悩、および憤っている部分などは非常に面白い。ネタバレあり。 ―2006年公開 英 110分―

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