砂漠のアウトロー
―2014年製作 摩 105分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:銀行から強奪した金を持ち去った男が逃げ込んだ町は、砂漠のど真ん中に突如現れた城塞都市だった!そこを牛耳るギャングに投獄されてしまった男は、彼らの部族争いに巻き込まれてしまい…。己の欲に心を乗っ取られた男たちが、勝利か死かをかけて闘うアクション・アドベンチャー!(Filmarks)
監督・脚本:セッド・C・ナシリ
出演:モハメッド・エラチ/アフィフ・ベン・バドラ/サラー・カゼミー/ディオク・コマ/モハメッド・クワティブ
ネタバレ感想
アマゾンプライムで見つけて鑑賞。なんというか、下敷きにあるのはおとぎ話みたいのによくありそうな、見染めてたんだけど攫われちゃった王女さんを助けに行くような物語に感じた。そういう話だと普通、助けに行く奴は白馬の王子なんかもだが、この物語では強盗で一匹狼のアウトロー。で、こいつが王女を助けるためにいろいろの成長を遂げていくわけだ。
てなふうに考えると、まぁありがちと言えばありがちな話。最初の展開で強盗をした主人公は、仲間を騙して自分だけ金を持ち逃げしちゃう。で、怒った仲間たちは彼を追って追って追い続けて、追い込んだ先が砂漠にある城塞都市みたいな街。主人公はこの街のバーで酒を飲もうとするんだけど、何やら雰囲気が変だ。
ここまでで20分くらい使ってて、その間、主人公のセリフはおどろくほど少ない。「水をくれ」「ビールをくれ」「断る」くらいなもん。なんだかのんびりした展開で退屈だなって感じの話がさらにもうしばらく続く。
でいろいろあって、面白くなってくるのは、ヒロインが雇った殺し屋が現れてから。この2人が主役を食うぐらいに個性的で、一人はバカで全然使えないお笑いキャラなんだけど、最初の唐突な登場シーンにはマジで度肝を抜かれて笑った。ついで出てくる黒人はクールで頼りになるキャラで、こいつがまた個性的。というか、こいつの存在がなかったら主人公たちは敵ボスに勝ててないはずだ。
こいつらの登場シーンを見たときに、なぜだかわからんが、ロバートロドリゲスの『デスペラード』と『フロムダスクティルドーン』が思い出された。あのバカっぽい面白さに通じる何かを感じたのだ。まぁ、あの2作ほど飛びぬけてはいないんだけど。
ともかく、この二人が登場後、にわかに物語にエンジンがかかってきて、楽しめるのだ。敵ボスがけっこう強くて、主人公が最初歯が立たないところもいい。敵が光っていないと、こういう話は楽しめないからね。てなことで、アウトローな男が最終的にヒロインを射止めるみたいな展開で物語が終わったーーと思わせておいて、なぜか一番いいキャラだった黒人が爆死(笑)。何なんだあれ、必要あるのかよ、と思ったけど楽しかったからいいや。
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