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映画 TIME タイム ネタバレ感想 寿命がわかっちゃうとか怖すぎる

タイム
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TIME タイム

派手なアクションがないので退屈に感じる人もいるかもしれないが、設定の面白さが秀逸なSFサスペンス。資本主義社会を風刺しているようにも見られるし、有限である時間と命の使い方について考えるにも示唆的な内容である。ネタバレあり。

―2012年公開 米 109分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「ロード・オブ・ウォー」のアンドリュー・ニコル監督が贈るSFサスペンス。すべての人間の成長が25歳で停止して、余命が通貨として使われるようになった世界で、ひとりの青年がその世界のシステムの謎に挑む。出演は「ソーシャル・ネットワーク」のジャスティン・ティンバーレイク、「赤ずきん」のアマンダ・セイフライド。(KINENOTE)

あらすじ:現代にどこか似た近未来。科学技術の進化により老化は完全に無くなり、全ての人間の成長は25歳でストップする社会となった。この社会の大きな特徴は、唯一の通貨が時間であるということ。25歳になった瞬間から、左腕に埋め込まれたボディ・クロックが余命時間を刻み始める。限られた一部の富裕ゾーンの住人が永遠の命を享受する一方で、圧倒的多数のスラムゾーンの人々は余命23時間。生き続けるためには、日々の重労働によって時間を稼ぐか、他人からもらう、または奪うしかない。日々が熾烈なサバイバルだった。2つの世界には、タイムゾーンという境界線があり、互いの世界の行き来は禁じられていた。ある日、スラムゾーンに住む青年ウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は、富裕ゾーンからやって来た、人生に絶望した男ハミルトン(マット・ボマー)から116年という時間を譲り受ける。その直後、ウィルの目の前で、母親のレイチェル(オリビア・ワイルド)がわずか1秒という時間のために息絶えてしまう。残酷な運命に怒りを覚えたウィルは、この世界の謎に挑むことを決意し、タイムゾーンを超えて富裕ゾーンへ向かう。そこで出会ったのは、変化のない日常生活に辟易していた大富豪の娘シルビア(アマンダ・セイフライド)。そして、時間を監視する時間監視局員のレオン(キリアン・マーフィー)が、ハミルトン殺害の容疑でウィルを追う。レオンに追い詰められたウィルは、近くにいたシルビアを人質にとって逃走。ウィルの一方的な行動で始まった逃走劇だったが、絶体絶命の危機を潜り抜ける中で、シルビアはウィルの本当の目的に気づき始める。一体誰が何のためにこのようなシステムを作ったのか?2人の間には、いつしか共感を超えた恋心が芽生え、執拗な追跡をかわしながらの逃避行が続く。時間に支配された世界の果てで待ち受ける衝撃の結末とは……(KINENOTE)

監督・脚本:アンドリュー・ニコル
出演:ジャスティン・ティンバーレイク/アマンダ・セイフライド/キリアン・マーフィ

ネタバレ感想

設定が面白い

ともかく設定がいい。派手さはなく淡々と物語が進むが、設定の面白さでいろいろと考えさせてくれる内容になっているので、たまに観たくなるのである。

で、どうして設定がいいのかというと、この作品では時間、というか寿命をお金で買えるのだ。なんでも遺伝子操作かなんかの技術によって、人間は25歳以上、歳をとらないのである。というか、歳はとるんだけども肉体が衰えない。だから、殺されたり自殺でもしないかぎり、肉体は若いままで生き続けられるのだ。

だが、寿命時間とでもいうか、25歳を過ぎると、政府から1年分くらいしか時間をもらえない。なので、お金を稼いで時間をチャージ(購入)しないと26歳で人間は死んじゃうの。死にたくなければ金を稼いでチャージするか(suicaとかの電子マネーみたいだね)、他人と肌を触れ合わせて、その本人の時間を自分に分けてもらわないといけない。

富裕層と貧困層の違いは寿命

てなことで、この作品の世界の人間は、金を持っているか否かで住人のレベルが4段階くらいに分けられていて、ピラミッドの頂点にいる富裕層たちは、何十億年も寿命を財産としてもっていたりするらしい。たしか、ヒロインの親父の資産は数十億と言っていた。で、主人公の住む最下層の街では、常に寿命があと1日くらいしかないので、日銭を稼いでシコシコ寿命を増やさなきゃならん。自転車操業だ。ちくしょう。

富裕層はあぶく銭を持っているから寿命が1世紀分とかあるので、その時間を消費することでいい暮らしをしている。ただ、長生きしすぎているせいか、刺激に対して鈍感であり、日々の暮らしもセカセカしていない。飯を食うのもゆっくりだ。というか、やることがないのである、こいつら。だから、パーティだのなんだの開いて中世の貴族みたいな暮らしをしているわけ。

おかしいなと思ったのは、ヒロインの親父は数十億年の財産とか言っておいて、主人公に狙われる、携帯機器にチャージされた寿命は100万年というところ。それでもすごい時間だけど、訳が間違っているのか、俺の勘違いか、数十億年の財産と比べたら100万年とか盗まれても痛くもかゆくもないような。

というか、この親父は超絶吝嗇野郎で、自分の娘の25歳のお祝いに、たった10年しか寿命をあげないのである(笑)。鬼畜すぎるだろ。そらぁ娘も主人公に肩入れして反抗したくなるわな。

寿命が分かってて楽しく生きられるか

いずれにしても、俺はこんな世界で絶対生きていたくない。だって、俺が暮らすことになるのはきっと、この作品の一番貧困な街に決まってるからだ。そこでは本当に時間が貴重だ。次の一日を生きられるかわからないんだから。

主人公のお母さんは、寿命が1時間30分くらいしかないのに、運賃が1時間もするバスで帰宅しようとする。ところが、政府は人口を調整するため、しょっちゅう税金だの物価を上げているのだ。つまり、貧困層をさっさと殺して人口を調整しようと狙っている。

主人公のお母さん(母には見えないくらい若い)がバスに乗ろうとしたら、「運賃が2時間になった」と言われ、哀れ母ちゃんバスに乗れずに走って帰る羽目に。ところが主人公から寿命を分けてもらう寸前で、タイムアウト。死んでまうのである。悲惨すぎ。

じゃあ富裕層な暮らしがいいかと言うと、決してそんなことはない。彼らは時間を持て余しすぎているものの、特にスリルのある何かをするわけでもなくその日を何となく生きているだけなので、およそ生きていることに張り合いがないのである。

だから、序盤で主人公のいる貧困層の街にやってきて、寿命だけ分け与えて自殺しちゃう奴なんかも出てくるのだ。

この作品の人間たちは、腕が蛍光色に光っていて、その光には自分の寿命時間が刻まれている。で、その時間はどんどんと減り続けている。つまり、あとどれくらいで自分が死ぬのかわかってまうのだ。そんなん毎日気にしながら生きてたら、頭おかしくなっちゃう。少なくとも俺は、絶対にそんな管理のされかた嫌だと思うのである。

寿命が分からないからといって漫然と暮らしていいのか

現実の俺は寿命がわからないから、こうして「人生半降りがブログのテーマ」とか抜かしつつ、普通に日々の仕事に追われた生活しているわけで、死期がわかっていたらこんな生活やめるんだろうなと思う。て考えると、どう生きるにせよ、やっぱり日々の瞬間を大切に生きることが大事という当たりまえのことを思い起こす。

人生半降りブログについて
当ブログ運営者の簡単な自己紹介と運営方針、人生半降りとは何か――など

何が言いたいって、こういう映画を観て思うのは将来に対する不安とか、未来のことばかりを考えて今を犠牲にするような生活で本当にいいのかと、考えさせられることだ。本当は、時間の流れってのは今しかないのである。今だけなのだ。未来なんてのはない。未来はけっきょく未来に訪れる今だからだ。屁理屈に感じる人もいるかもしれないが、時は今しかない。常にその瞬間しかない。やっぱり金を得る仕事のために、人生の大半を犠牲にして生きるなんて、馬鹿馬鹿しい。だからなるべく仕事に縛られず、うまく折り合いをつけて仕事も私生活も楽しめるように工夫するしかない。ともかく、時間は有限なのだ。

作品内のブラックな仕事

最後に作品内の話に戻る。嫌だといえば、キリアン・マーフィ演じる時間捜査官みたいな仕事。あれも超絶ブラックだろ。自分の寿命はあんま支給されないのに、時間に対して不正を働いている奴らを貧困層から富裕層問わず取り締まらなきゃいけない割に、メチャクチャ人員少ないし、どんだけのエリアカバーしなきゃいかんのだよ。よく正気を保って毎日糞まじめに働けるもんだと感心せずにはいられない。

てなことで、秀逸な設定で作品への興味を持続させてくれる佳作である。

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