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映画 ハッチング孵化 ネタバレ感想 ティンヤとアッリ

ハッチング孵化
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ハッチング孵化

教育ママで、幸福な家族を演じるのが大好きな母親の命令通りに生きることを強いられた少女が、ある日ヘンテコな生き物を育てることになる。その生き物は成長するにつれて少女の負の願望を満たす存在になっていきーー。少女の抑圧された内面が鳥の形になって現れ、家族のいびつな姿を映し出していく異色のホラー作品。ネタバレあり。

―2022年公開 芬 91分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:第38回サンダンス映画祭でプレミア上映され、話題を呼んだ北欧発のイノセントホラー。フィンランドに暮らす、表向きは幸せな4人家族。ある日、長女ティンヤが森で見つけた謎の卵の孵化をきっかけに、恐ろしい事件が起こり、家族の真の姿が浮き彫りにされてゆく。メガホンをとるのは、本作が長編デビューとなる女性監督ハンナ・ベルイホルム。主人公の少女ティンヤを1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナが演じる。(KINNOETE)

あらすじ:北欧フィンランド。体操の大会優勝を目指し、日々練習に励む12歳の少女ティンヤ(シーリ・ソラリンナ)。一方、完璧で幸せな自身の家族動画を世界へ発信することに夢中な母親(ソフィア・ヘイッキラ)。ティンヤはそんな母を喜ばすため、全てを我慢し自分を抑制していた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つけ、家族に秘密にしながら、その卵を自分のベッドで温め始める。やがて卵は大きくなり、遂には孵化。卵から生まれた“それ”は、幸福な家族の仮面を剥ぎ取ってゆく……。(KINENOTE)

監督:ハンナ・ベルイホルム
出演:シーリ・ソラリンナ/ソフィア・ヘイッキラ/ヤニ・ヴォラネン/レイノ・ノルディン

ネタバレ感想

レンタルで鑑賞。まさかあんなに露骨にクリーチャーみたいのが登場してくる作品とは思ってなかったので、そこにけっこう驚き(笑)。しかもそのクリーチャーがけっこうグロくて気持ち悪いし、主人公のティンヤのゲロを食料にしちゃうところが何とも気持ち悪くて、そういう汚い描写と、暖かみを感じるほのぼのとした背景が出てくるシーンとのギャップはかなりのもの。

ホラーとは言っても殺人鬼が物陰から突如登場して驚かせるとか、人間を残虐に屠っていく描写で怖がらせる内容ではなく、主人公の少女が飼育する謎の鳥が少女そっくりに変異していく様や、一見すると幸福そうに見える家族の闇、特にティンヤの母親の人としてのゆがみ方を描写することで恐怖を与えるような内容になっている。

この母親がともかくいけ好かなくて、自分の娘だけでなく夫も息子も自分の理想通りに動かしたいだけの存在で、それが彼女にとっての愛情みたいなもんなのだ。息子はともかく、そんな奥さんに何も言えない旦那のほうにもずいぶん問題があって、このオッサンもティンヤにとっては良い親父としての役割を果たせていない。

ティンヤは母の要求に応えるために学校生活や機械体操を頑張るんだけども、それは自分のうちから出てくる欲求とは異なるうえ、思春期特有の問題や身体的な成長による葛藤なんかもあるだろうから、その抑圧がいろいろなところに影響してきちゃうであろうことは想像に難くない。

そんなわけで、ティンヤは母親が無慈悲に殺したカラスの卵を孵化させるというよくわかんない行動に出ることで、自身も守るべき子を持つ母親としての役割を果たそうとするものの、自身の母親がティンヤをわかっていないのと同様に、カラスに対してもてあましてしまって、しかもこのカラス(アッリ)がなぜかティンヤの肉体と同化しているようで、彼女の痛みはアッリの痛み、アッリの痛みは彼女の痛みになっていくのだ。

そしてアッリは成長するにつれてティンヤの負の感情の塊のようになっていき、彼女が無意識にでも不快感を示した存在を襲い始めるのだ。最初は隣の家の犬、次いで隣の家の少女、そして最後は母親。しかし母親へのアッリの攻撃を身を挺して守ったティンヤは死んじまう。するとアッリがティンヤへと変貌し、ティンヤは死んじゃったけども、ティンヤ(アッリ)が誕生することで物語は終わる。

きっと異常な母親は、このティンヤ(アッリ)をティンヤとして扱って育てていくんだろうと示唆してるような感じで劇終を迎えた。

細部はなんだかようわからんけども、少女の成長と思春期の葛藤をカラスの化け物をメタファーとして描いていつつ、そこに歪んだ家族像をも挿入して何ともグロテスクな家族ドラマを描いた本作は、ヘンテコ異色ホラーでありましたな。

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