ハンバーガー・ヒル
―1987年公開 米 110分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ヴェトナムで凄惨な戦闘を強いられた兵士たちの姿を描く。製作はマーシャ・ナサティアと脚本も執筆しているジム・カラバトソス、共同製作はラリー・ド・ワーイ、エグゼクティヴ・プロデユーサーはジェリー・オフセイとデイヴィッド・コルダ、監督は「ゴリラ(1986)」のジョン・アーヴィン、撮影はピーター・マクドナルド、音楽はフィリップ・グラスが担当。出演はアンソニー・バリル、マイケル・P・ボードマンなど。(KINENOTE)
あらすじ:1969年、ヴェトナム。テリー・フランツ(ディラン・マクダーモット)が指揮する第3分隊。彼は銃弾が飛びかう中で負傷兵を徹退させようとしていた。ダフィ、ゲイガン、モータウン、そしてウスター。幸福な者だけが生還できる地獄の戦場だ。第3分隊に新しい兵隊が配属さねてきた。ベレッキー、ラングィリー、ウォッシュバーン、ガルバン、ビーンストックの5人。いずれも20歳そこそこの若者だ。フランツが彼らに教えたことは、敵に対して畏怖を植えつけることだった。敵は高度な訓練と装備で身を固め、しっかりした動機を持った筋金入りの北ヴェトナム正規軍なのだ。気を抜いたらすぐ殺される。フランツの分隊はマン・ロー橋の近くにキャンプを設営した。一時の平穏。だが、突然、敵の一斉射撃が始まった。ガルバンが頭を吹き飛ばされる。さらにアシャウ・バレーでも集中豪雨のような銃撃戦が展開される。今や兵士たちの神経はズタズタだった。そてんなところへ、北ヴェトナム軍が要塞を敷く“937高地”を掃討せよとの命令が下った。凄惨な戦いが開始された。1人、また1人と続出する犠牲者。誰かが叫んだ。「この高地はオレ達をミンチにしようとしている!」と。10日に及ぶ熾烈を極めた戦闘は終わった。高地の頂上に北ヴェトナム正規軍の姿はなかった。フランツ、ベレツキー、ウォッシュ・バーン……生き残ったことが奇跡としかいえない兵隊たち。わずかに焼け残った1本の木に、誰が貼りつけたのか札がゆれていた。「ウェル・カム・ツゥ・ハンバーガー・ヒル」。そして、その下に小さな文字で「こんなにまでする価値があるのかよ!」と書かれていた。(KINENOTE)
監督:ジョン・アーヴィン
出演:アンソニー・バリル/マイケル・パトリック・ボードマン/ドン・チードル
ネタバレ感想
初見は10代の頃で、地上波の洋画劇場だった。どこの局だったかは忘れた。で、初めて鑑賞したときは雨中の中、アメリカ兵たちが泥まみれになってハンバーガーヒルの頂上へ向かうシーンがものすごく印象に残ってて、俺の記憶の中では延々と泥まみれで戦い続ける映画として刻まれていた。
しかし、今回こうして見返してみると、あの泥まみれな戦闘シーンてそんなに長くない。しかも、ハンバーガーヒルの戦闘に参加する命令が下る前に、物語はかなりの時間を割いている。やっぱり、人間の記憶なんていい加減なもんで、いろいろと自分のいいように書き換えてるもんだなぁと思った。
でも、初見の頃から一切変わらないのは、この物語の登場人物たちを俺は劇終まで誰が誰やら区別が完全についてないままに見終えてしまうというところだ。ドン・チードル以外になじみの役者がいないからか、ともかく、最後まで誰が誰なのか、よくわからないで終わってしまう。そのため、うまく感情移入ができず、誰が戦死したのかもよくわからないままに、非常に淡々と物語が進んでいく印象を受けてしまうのだ。
しかし、やはり、泥まみれになって戦うハンバーガーヒルの戦いは、すごい。あそこだけでも戦争の凄惨さがよくわかる。そして、この作品を通じて伝わってくるのは、本国のアメリカ人からも、兵士たちは疎まれる存在というか、尊敬されない存在であったということ。そもそも望まれてない戦争に行かざるを得なかった兵士たちの悲哀は、とてもよく伝わってくる。
ということで、10代の頃に鑑賞したという意味でも、俺の中では思い出の戦争映画なんである。
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