ゴートゥーヘル
―2009年製作 米 106分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「バイオハザードIII」「ハイランダー」シリーズのラッセル・マルケイ監督が、「ミスト」のトーマス・ジェーン主演で描いたバイオレンスアクション。伝説の探偵マローンはホテルでスーツケースを回収するだけの簡単な仕事を引き受けるが、そこで待ち伏せしていた殺し屋たちに襲撃されてしまう。どうにかスーツケースの回収に成功した彼は、その中身を見て愕然とする。マローンに仕事を依頼した謎の美女エベリンは、売春王と悪名高いギャングのボス・ウィットモアに兄を人質に取られており、釈放条件としてそのスーツケースを要求されていた。しかしエベリンの兄は殺害され、マローンとエベリンも命を狙われてしまう。(映画.com)
あらすじ:伝説的探偵マローンはスーツケースを回収するという簡単なミッションのために向かった高級ホテルで殺し屋たちの襲撃に遭う。何とかスーツケースを奪い取ったマローンはその中身を見て衝撃を受ける。この事件の裏には売春王で有名なギャングのボス、ウィットモアがいることを突き止めたマローン。彼はウィットモアに兄を人質にとられている、謎の美女エヴェリンと出会う。釈放条件はスーツケースを渡すこと。しかし、エヴェリンの兄は殺され、二人もウィットモアから追われる身に。マローンが反撃に出て、ギャングとの激しい戦いが始まる! (Amazon)
監督:ラッセル・マルケイ
主演:トーマス・ジェーン/ヴィング・レイムス/エルサ・パタキ
ネタバレ感想
トーマス・ジェーンと言えば『ディープブルー』と『ミスト』が印象的ではあるが、何か地味な存在に感じる役者だ。今作ではハードボイルドな役柄を演じている。で、これは彼自身のせいではないんだけども、ぜんぜんハードボイルドさが感じられない中途半端で退屈極まりない作品だった。
冒頭の銃撃シーンはなかなか良かったんだが、そこがこの作品のピーク。あとは筋を追ってボーっと鑑賞し続けるだけの残念な内容。女の暗殺者とか、放火魔とか、それらを操る黒人の殺し屋とか、それなりに存在感はある。あるんだけども、何か迫力に欠けるというか、キャラに深みがないというか、なんとも物足りない奴らなのだ。
女暗殺者はタランティーノの『キルビル』に出てくるゴーゴー夕張を意識したんだろうか。でも、ぜんぜんカッコよくない。放火魔はブチ切れた奴だってのはわかるけども、ガソリンだか油かを縛り上げた主人公にぶっかけておいて、目の前で着火しちゃうとかバカすぎ。案の定、主人公から霧みたくガソリン吹っ掛けられて、自分が燃えちゃうという。
黒人の殺し屋も、妻の入院費をボスに面倒みてもらってるせいで操られてるんだけども、その行動がブレブレで動きもノッソリしてやがるので、まったく有能そうに見えない。
どんでん返し的展開となる、謎の美女エヴリンも何だかよくわからん奴で、けっこうなやり手かと思わせておいて、クライマックスでボスにあっさり眉間を撃ち抜かれて死亡。で、そのボスはそもそもどうしてこんな騒動を起こすことになったのか、その辺をすでに思い出せないし、思い出せなくても特に問題ないし、とりあえずこき下ろすほどに突っ込みたい気分にならない、バカに振り切れてない中途半端さのせいで、ともかく退屈極まりない駄作である。やるんだったら『シューテムアップ』くらいバカに徹すればいいのに。
というか、ハードボイルド感を抱かせる主人公のキャラ設定にしてるってことは、そもそもバカっぽいアクションがやりたいんじゃなかったのかも。でも、ボイルド感を抱かせるだけで、ボイルドではないんだよ、この人は。それは役者の演技力なのか、演出の物足りなさなのか。トーマスジェーン自体は嫌いではないんだけどなぁ。
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