ジェラルドのゲーム
倦怠期の夫婦がアブノーマルなセックスをいろいろ試すうちに、それぞれが性への新境地を切り開いていく話かと思っていたら、ぜんぜん違った(笑)。スティーヴン・キング原作のサスペンスのようなホラーのような作品。ネタバレあり。
―2017年製作 米 103分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:マンネリの性生活に刺激を求めて試したゲームが暗転。人里離れた別荘のベッドに手錠でつながれた妻のジェシーを襲う幻覚、過去の秘密。そして究極の選択が迫る。(Filmarks)
監督:マイク・フラナガン
原作:スティーヴン・キング
出演:カーラ・グギーノ/ヘンリー・トーマス/ブルース・グリーンウッド/カレル・ストリッケン/ケイト・シーゲル/キアラ・オーレリア/トム・グリン
ネタバレ感想
適当なあらすじ
結婚生活に飽き始めている夫婦が、人里離れたとこにある別荘を訪れる。旦那はあらかじめ、掃除係や部屋の管理人みたいな人たちがやってこないように連絡を入れてあるようだ。なぜ誰も来ないようにするかというと、奥さんと刺激的なセックスを楽しみたいから。
で、どんなセックスかというと、奥さんに本物の手錠をかけて、両手を封じたうえで事に及ぼうとする、SMっぽい行為がしたいらしい。言葉責めも織り交ぜたいことが、旦那の口調でわかる(笑)。
奥さんはけっこう乗り気なのかと思わせておいて、興奮している旦那を遮って、行為を中断しようとする。で、2人は口論みたくなるんだけども、その途中で旦那が苦しみ始めて、ベッドの下に転げ落ちてピクリとも動かなくなる。…死んだ。
旦那が奥さんを手錠にかける前にこっそり服用していた錠剤は、どうやらバイアグラだったようだ。で、その副作用かなんかで、死んじまったみたい。成仏しろよ。
残された奥さんは手錠をかけられたまま。脱出しようにもできない。しかも、別荘にやってくる前に路上で見つけた野良犬が、玄関前であげた神戸牛を食い尽くしたのか、部屋の中にまで入ってくる。そして、なんと、息絶えている旦那の腕を食い始めた。おいしいの?
奥さんは何とか犬を止めようとするものの、どうにもならん。そして、あきらめてとりあえず、そのまま寝ることにする(笑)。その後、彼女は幻覚を見るように。死んだはずの旦那や、自分自身の別人格の幻覚と対話を繰り広げながら過去のトラウマ的記憶とも向き合うことになった彼女は、果たして現状を脱出できるのかーーというのが適当なあらすじ。
タイトルと内容が合ってないような…
冒頭に書いたように、事前に想像していたストーリーとぜんぜん違った(笑)。タイトルからして旦那が主人公で、あの手この手を尽くしてセックスを楽しむのかと思っていたのに、彼は早々に物語から退場してまう(幻覚として出てはくるけど)。その後は、どの辺が『ジェラルドのゲーム』なのか、よくわからん展開に。
ただまぁ、キングが原作を手がけていることから考えるに、旦那が死んで以降の展開は、ああなるのも納得はできる。できるけども、さほど面白味がないところは残念だ。
奥さんが過去のトラウマから脱却するまでを描くサスペンスっぽい内容に、謎の男が出現するホラー要素も挿入されてくる物語進行、さほど面白くはない。
いつも思うんだけど、ネットフリックスのオリジナル作品って、思わせぶりな設定や展開であるものの、描写に派手さがなく淡々と静かに物語が進んでいく作品が多く、端的に言えば盛り上がりに欠ける退屈な作品が多い。で、本作品もそんな印象を受ける内容であった。
感心したのは、奥さんがストローをつくってコップの水を飲むところ。なかなかのアイデアだと思った。俺は柔軟性のある思考が苦手なので、ああいう発想ができるか自信がない。そのほか、手錠を抜く描写とかはグロいけど、全体を通して感じた印象はやはり、あまり面白くないというものだった。
それにしても、あの野良犬はよく食べてたねぇ。肉が大好きなんだな(笑)。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
コメント