ガチ星
元プロ野球選手のオッサンが、40歳間近になって、自堕落な日々から脱するために競輪選手を目指してジタバタする話。けっこう努力しないでプロになれちゃったりしてるし、本人の成長がそんなに感じられないヘンテコ作品。ネタバレあり。
―2018年公開 日 106分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:40歳を前に、競輪選手を目指す元プロ野球選手の奮闘を描いたドラマ。元プロ野球選手の濱島浩司は、自堕落な生活を改めようと競輪学校へ入学。だが、そこで彼を待っていたのは、厳しいトレーニングと20歳以も歳の離れた若者たちからのイジメだった……。出演は「アウトレイジ ビヨンド」の安部賢一、「富美子の足」の福山翔大。監督は、東京五輪招致映像のクリエイティブディレクションを務め、これが商業映画デビュー作となる江口カン。2018年4月7日より福岡先行上映。(KINENOTE)
あらすじ:8年前までプロ野球選手として活躍した濱島浩司(安部賢一)も、今や39歳。戦力外通告を受けて以降、生活は荒れる一方で、それが原因となって妻や息子とも離れ、故郷の北九州で親友の居酒屋を手伝うことになる。それでも変わらずパチンコや酒に溺れ、挙げ句の果てに親友の妻と浮気するなど、自堕落な生活が続く中、濱島は馴染みのラーメン屋で競輪選手になることを勧められる。“40歳以上でも入学できる”と聞き、競輪学校に入学する濱島。そこで待っていたのは、教官からの猛烈なしごきと、20歳以上も歳の離れた若者たちからのいじめだった。持ち前の負けん気で過酷なトレーニングに食らいつき、いじめにも屈しない濱島。だがその一方で、自堕落な生活からは抜け出せず、成績は一向に振るわない。自ら崖っぷちの状況を招いた彼はある日、同郷の同級生・久松孝明(福山翔大)の存在を知る……。(KINENOTE)
監督:江口カン
出演:安部賢一/福山翔大/林田麻里/博多華丸/モロ師岡
ネタバレ感想
レンタル配信で鑑賞。この監督は昨年話題になったネットフリックスドラマ『サンクチュアリ』の人みたい。今作もどうやら、地方のローカル局のドラマを映画にまとめた内容らしい。
関係ないけど、サンクチュアリは確かにおもしろかった。ただ、業界の慣例に従わない型破りな主人公のメチャクチャぶりがよかったのに、最終的にはその業界の中の模範的な相撲取りみたいに変わってっちゃる印象を受けて、旧態依然とした何かに風穴を開けるような話だったのに、回を重ねるごとに主人公が業界に染まっていっちゃいるようにも見えて、最後のほうが残念だったというのが俺の感想。
で、本作なんだが、この作品の主人公は元はプロ野球選手として活躍してたけど、引退後は他にできることがないのにで、酒とパチンコに溺れて妻子を顧みないどうしようもない生活を送っている男なのだ。
ただ、元々プロ野球選手だったこともあり、スポーツのセンスがあるようで、そのポテンシャルによって競輪の道を目指し、見事プロになっていく姿が描かれているーーように俺には見えた。要するに、彼は学校内でいじめにあったりはしているものの、本来不遜な性格な男なので、さほどダメージを受けているようにも見えず、むしろイジメ返したりもしているわけだし、そもそも真面目に練習しないで酒飲んだりタバコ吸ったりしてるから、むしろ多少心を入れ替えた程度でプロになれちゃってることに違和感。
であるから、彼が才能のみで目標を達しちゃっているように感じちゃったのである。プロになってからもそんなに練習してないので全然勝てないのは当然だし、ある事件をきっかけにやっとこさ自覚に芽生えて頑張る。そしてラストに向かっていくわけだが、やっぱり努力で大成してるというようには感じられない。だって、努力だけではどうにもならない一線だったあるわけで、それなのにこの主人公はそこをけっこう簡単に超えちゃっているわけだからね。
であるから、それなりに面白くはあるものの、さほど感銘を受けるわけでもなく劇終を迎えてしまった。
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