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映画 友罪 ネタバレ感想 ラストで結論は出るのか

友罪
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友罪

何名かの登場人物の生きざまを巡る群像劇っぽいものの、中心となるのは生田斗真の演じる元ジャーナリストの益田と、瑛太が演じる謎の男、鈴木の交流だ。罪を犯した加害者やその家族は、死ぬまでその罪を背負い続けなければならないのかーーという問題に対して、その是非を結論づけずに最後まで描き切っているところはなかなかすごい。ネタバレあり。

―2018年公開 日 129分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:実在の事件に着想を得た薬丸岳による同名小説を原作に「64 ロクヨン」の瀬々敬久監督が映画化。ジャーナリストの夢に破れ町工場で働き始めた益田。同い年の工員・鈴木と打ち解けていくなか、益田は彼が17年前の連続児童殺傷事件の犯人ではないかと疑い始める。出演は「彼らが本気で編むときは、」の生田斗真、「ミックス。」の瑛太、「64 ロクヨン」の佐藤浩市、「海街diary」の夏帆、「去年の冬、きみと別れ」の山本美月、「この国の空」の富田靖子。撮影を「彼女の人生は間違いじゃない」の鍋島淳裕、音楽を「ピンクとグレー」の半野喜弘が務める。(KINENOTE)

あらすじ:ジャーナリストの夢に破れ、部屋を借りる金も使い果たした益田(生田斗真)は、寮のある町工場で見習いとして働き始める。益田と同じ日に入った鈴木(瑛太)は、自分のことを一切語らず、他人との交流を拒んでいた。そんな鈴木のことを不審に思った寮の先輩・清水(奥野瑛太)と内海(飯田芳)は益田を強制的に連れ、鈴木の部屋をガサ入れする。そこで益田は女性の裸婦像が書かれたスケッチブックを見つける……。工場からの帰り道、鈴木は男に追いかけられている女・美代子(夏帆)を庇う形になり、男から一方的に殴られる。彼女は元恋人の達也(忍成修吾)に唆されAVに出演した過去を持ち、達也と別れてからも執拗につきまとわれていた。鈴木は美代子のマンションで、けがの手当てを受ける。数日後、慣れない肉体労働に疲れ果てた益田は、めまいを起こして機械で指を切断。だが、鈴木の冷静な対処と、病院まで運んでくれたタクシードライバー・山内(佐藤浩市)のアドバイスのおかげで、何とか益田の指は繋がるのだった。夜勤明け、義父が亡くなり、妻の智子(西田尚美)の実家へ駆けつける山内だったが、妻と会うのは10年ぶりだった。息子・正人(石田法嗣)が交通事故を起こして人の命を奪った罪を償うために、家族を“解散”したのだ。しかし、正人が結婚しようとしていると聞いた山内は、怒りと当惑で言葉を失う。入院中の益田のもとに、元恋人で雑誌記者の清美(山本美月)が見舞いに訪れる。清美は埼玉で起きた児童殺人事件の記事で行き詰っていると打ち明け、17年前の連続殺傷事件の犯人・青柳健太郎の再犯だという噂について意見を求める。だが、益田はジャーナリスト時代に自身の記事に因って招いた暗い過去を思い起こし拒絶する。数週間後、カラオケパブで清水や内海、鈴木が益田の退院祝いをしてくれる。鈴木の傍らには、美代子もいた。寮に戻った益田がスマホを見ると、清美から再度意見を求めるラインが届いていた。ため息をつきながらもパソコンを開き、事件について検索した益田は、当時14歳だった犯人・青柳健太郎の顔写真を見て、息をのむ。そこには鈴木によく似た少年の姿が写っていた。まさかと更に検索し、医療少年院で青柳の担当だった白石(富田靖子)の写真を見て固まる益田。それは、鈴木のスケッチブックに描かれていたあの女性であった……。(KINENOTE)

監督・脚本:瀬々敬久
原作:薬丸岳:(『友罪』(集英社文庫)
出演:生田斗真/瑛太/佐藤浩市/夏帆/山本美月/富田靖子/西田尚美/村上淳/古舘寛治/光石研

ネタバレ感想

物語に確固とした結論をつけないので、鈴木(青柳)や佐藤浩市扮するタクシードライバーの苦悩が最後まで尾を引くわけだが、わけなんだが、その周囲にいる人間の富田靖子や夏帆が演じる女性の苦悩まで描く必要があったのかどうかは疑問。あとは、主人公たる益田の過去を語らないもったいぶり感もけっこうイライラしちゃうなぁ。

工場の機械で益田が指をきっちゃったことで、そこで働く同居人4人の絆が深まるシーンなんかは、なるほどそういうもんかと思わせておきながら、益田と鈴木以外の二人の同居人が頭悪すぎて、いろいろな反応に対する言動が萎える。ああいう人はいるのは分かるんだけど。あと、山本美月演じる雑誌記者の存在が、終始ウザい。こうした普通の人に嫌悪を持たせるようにしてるのは、それなりに意図的なのかもしれんなぁ。

まぁそれはいいにしても、どうして鈴木と益田の距離が近づいたかなどの描写についてはあまり濃さがないので、その辺もさほど説得力を感じられない。

こうやって腐したいことがたくさんありすぎる中途半端さは、おそらくこの映画には必要だったのだろうと思わなくもない。要するに、この映画は冒頭に書いたように、罪を犯した人間や、その加害者家族らが、その罪を一生背負い続け、後ろめたさを感じて生きる必要があるのかどうかという部分について言いたいんだろうと思われるので、そのためにはいろいろな背景を持つ人間をそれなりの数で出演させる必要があったんではないかと。原作は未読だけど、原作もおそらくそういう構成になっているんではないかと。

じゃあ面白いか面白くないかと言うに、別に面白くはない。だが、けっこうデリケートかつ難しい問題を、ある程度は加害者側に寄り添って(特に鈴木に)制作したスタンスは、勇気があるなと思った。

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