ファイナルデスティネーション
この作品のポイントは「死には筋書きがある」ということ。本当だったら、青年達は飛行機の爆発により死ぬはずだった。ところが青年の予知夢によって偶然にも死ななかった。彼らは死を免れた。すなわち、死の筋書きが変わってしまった。ではどうなるの? ネタバレあり
解説
クラスメートや教師たちとフランスへの修学旅行に心ときめかせていたアレックス。そこは離陸寸前の飛行機の中。が、その瞬間、飛行機は大爆発……。それは夢だったが、これから飛行機が実際に離陸する直前で、あまりの恐怖にアレックスは“この飛行機は爆発する!”と叫びパニックに。結局、アレックスとその混乱に巻き込まれた6人を残して離陸した飛行機は実際に爆発してしまう……。運良く生き残った7人だったが、やがて彼らは次々に怪死を遂げていく…。(allcinema ONLINE)
※以下の記事は2002年10月28日AM0:37に書かれたものです。
冒頭から引き込まれます
1人の青年がいます。高校生らしく、クラスの修学旅行でパリに行くことになりました。青年は飛行機に乗ることにとても不吉な予感を感じる。虫の知らせとかいったところですかね。搭乗して席につくと、彼は夢を見る。自分の乗った飛行機が爆発する、恐ろしい、怖い怖い、夢です。目覚めた青年は恐慌をきたし、飛行機から引き摺り下ろされる。とばっちり受けた生徒、そして親友、彼の予感を真に受けた女の子、そして引率の先生など7名が飛行機から置き去りにされることに。
ところが本当に飛行機が爆発! 青年の夢は正夢となるのです。ここまでではこの映画がいったいどんな展開をするのか全くわかりません。しかし、その一連の事件が一段落したある日、青年の親友が不可解な自殺を遂げる。映画を見る人たちはこれが自殺ではないことは分かるのですが、当の主人公たる青年そして物語中の人たちはこれが分からない。ここからが、この映画の本当の幕開けとなるのです。
死には筋書きがある
この映画のポイントは「死には筋書きがある」ということですね。本当だったら、青年達はみんな、飛行機の爆発により死んだはずだった。ところが青年の予知夢によって偶然にも死ななかった。彼らは死を免れた。すなわち、死の筋書きが変わってしまったのです。
人生とはそういうものですよね。一つひとつの選択によって、人生はまったく方向を変えてゆく。わたしたちだって、今ここにこうして生きているけれども、過去の選択によっては、もうこの世にはいなかった可能性もある。
この映画においては、筋書きによって死なねばならなかった彼らは、運命の辻褄あわせのために、無理やりにもありえない偶然に襲われ、一人ずつ、爆発時に死ぬ筈だった順番どおりに死んでゆく。主人公である青年はそれに気付き、仲間と自分をなんとか生き残らせるために、筋書きを変えようと運命と戦うわけです。
でも、可能世界を無視してないか?
しかし、あれだ。死に筋書きがあるのは良しとして、主人公達はそれから一度は免れているのだから、分岐した可能世界にいるわけですよね。すると分岐以前の筋書きから逃れられないってのは何か矛盾を感じないかなぁ。可能世界があるとすれば、この映画は成り立たないし、ないとしても、同様に成り立たないはずなのに、映画は存在する。そんなこと言っても仕方ないんだけど。
ラストはホラー的終わり方だよね
最終的にどうなるか。運命から逃れ、生き残った主人公達が、修学旅行に来る筈だったパリを訪れるのです。そこでのラストはあれですね。そう、ホラー映画などにありがちな、と言うより必ずあるあれです。ぜひ見てください。
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