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映画 イグジットスルーザギフトショップ ネタバレ感想

イグジットスルーザギフトショップ
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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ

―2011年公開 英 90分―

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解説・スタッフとキャスト

解説:名前以外のプロフィールやその姿を一切世間に明かしていないイギリス出身のストリート・アーティスト、バンクシーによる初監督作。アート業界の真実をユーモラスに抉り出し、第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた。ナレーションは「ミスター・ノーバディ」のリス・エヴァンス。世界のグラフィティ・アーティストを撮影し続けた男、ティエリー・グエッタは、誰も接触する事ができなかったバンクシーを偶然撮影できるようになり、彼の映画は完成する。ところが、バンクシーの発した一言でバンクシー自身も想像しなかった事態に発展。ティエリーは、アーティスト“ミスター・ブレイン・ウォッシュ”としてロサンゼル最大の新聞LA Weeklyの表紙を飾りエキシビションを開催するのだった。全ては仕組まれたことなのか、偶然なのか、あるいはバンクシーの言うようにこれが100%リアルな事なのか……。

監督:バンクシー
出演:ティエリー・グエッタ/スペース・インベーダー/シェパード・フェアリー/バンクシー
ナレーション:リス・エヴァンス

ネタバレ感想

アーティストのバンクシーが自ら監督した作品。彼の創作活動が描かれるのかと思っていたけど、そうではなく、ひょんなことからグラフィティーアーティストの活動を記録することになった、ティエリーなるロサンゼルス在住のフランス人が、バンクシーらに影響されて自らアーティストになっていく過程を風刺的に描いたドキュメンタリー作品だった。

このティエリーなる人物がバンクシーらが評するようにイカれた人間で、何を考えているのかよくわからない奴だ。そもそも古着屋だった彼が、アーティストの創作活動を映像記録に残す活動に没頭していく中で、バンクシーのアドバイスで映画を撮影する。その作品のあまりのひどさに面喰ったバンクシーが、彼の人間性に面白味を感じたため、彼を映画作品にすることに思い至ったとバンクシーが本作を創作したきっかけについて語る。

にしてもこのイカれた人間のティエリーは、我が道を行く人間で、そこに周囲の人間を巻き込んでいくという意味では確かに天才肌の人間にも見えてくる。その我が道の生き方は家族にとってはたまったもんじゃないと思うんだけど、この作品ではその辺についてのことは言及されない。俺だったらああいう奴とは仕事したくないなぁ。あの、個展の準備しているときの人の使い方とか計画性のなかさとか、えらそうなところとか、ああいう部分の仕事ができない奴は好きじゃないので(笑)。まぁしかし、創作された作品の評価と創作者の人間性は関係ないんだけど。

あと、単なる古着屋だった彼が、アーティストの記録を残す映像作家となって、さらにはその記録を映画にするにあたり、その資金はどこから得ていたのかについては描かれない。最終的に、全財産を費やして個展を開くに至った際には、かなりの人件費なども使っていて、その資金源はどこにあったのかもよくわからん。さほど金持ちには見えなかったんだけど。

で、彼はブレインウォッシュを名乗ってアーティストに転身し、商業的には成功することになる。ただ、彼には芸術的な素養があるのかないのかはよくわからない。見よう見まねでグラフィーをやっちゃうところなんてすごいと思うんだけど、その作品に価値があるかどうかは俺にはよくわからんし、この映画では、バンクシーらが協力したことで宣伝効果が高まったことが彼の成功につながっていることが描かれている。で、ここにこの作品の風刺があるんだろう。

つまり、アートが商業的なものと切り離せなくなっている現代社会およびアート業界の現状を皮肉っているということだ。また、広告宣伝や、識者のコメントなど通じてアート作品に群がるファンの心理についても皮肉を浴びせているように見える。

では、芸術に対する鑑識眼てのはどのように養われるものなのだろうか。どの世界でもそれなりに作品に触れる必要があるだろうし、その中から自分の好みが決まり、その過程の中で、自分の好みでない作品についても、その価値を理解することができるようになるかもしれないし、好きではないので評価できない場合もある。いずれにせよ、いいものはなんだっていいのだ! と考えるのなら、お金を払ってでもほしいと思う心理はわかるので、問題なのは、それが単なる所有欲や自慢になってしまうことなのかもしれない。

なんだか難しい話すぎて、自分が何を言いたいのかさっぱりわからねぇ(笑)。ちなみに、バンクシー自身の創作活動を追った映画としては、『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』てのがある。これがまた面白いのでおすすめです。

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