カジュアリティーズ
ブライアン・デ・パルマ監督による実話を基にした物語。軍隊内の風紀の乱れを描き、それを正そうとする正義マンが頑張る内容である。
―1989年製作 米 114分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ヴェトナムの戦場で上官と同僚の犯した罪に苦悩する一兵士の姿を描く戦争ドラマ。製作はアート・リンソン。ダニエル・ラングの原作を基に、監督は「アンタッチャブル」のブライアン・デ・パルマ、脚本はデヴィッド・リーブ、撮影はスティーブン・H・ブラム、音楽はエンニオ・モリコーネが担当。出演はマイケル・J・フォックス、ショーン・ペンほか。(KINENOTE)
あらすじ:74年、ヴェトナム帰還兵のエリックンン(マイケル・J・フォックス)は、電車の向かいに座るアジア人の女学生の姿に思わずハッとする--66年、ヴェトナムの戦場にいたエリックソンは敵の掘ったトンネルに落ち、身動きできないでいた。そんな危機一髪の彼を救ったのは上官のミザーヴ軍曹(ショーン・ペン)だった。それから間もなく帰還間近の無線係ブラウン(エリック・キング)が狙撃され死んだ。怒りに狂う仲間たちは、手当たり次第にヴェトナムの村人を射殺した。そんなある夜、基地に戻った小隊は中央ヴェトナム高地の偵察パトロールを命じられる。出発前ミザーヴはヴェトナムの少女をさらってレイプしようと提案、エリックソンは耳を疑うが、実際に若い娘オアン(ツイ・ツウ・リー)を誘拐し、彼女はエリックソンを除く4人の仲間たち、ミザーヴ、クラーク(ドン・ハーヴェイ)、ハッチャー(ジョン・C・ライリー)、ディアズ(ジョン・レグイザモ)に犯されてしまう。傷ついた娘をいたわることしかできないエリックソンは、仲間の留守中に彼女を逃がそうとするが、それも失敗に終わった。やがて小隊は対岸に北ヴェトナム軍の陣地がある河のほとりにやってきた。そして激しい銃撃戦の中、誘拐と暴行の証拠を消すため、オアンはミザーヴ軍曹の命令で射殺されるのだった。基地に戻ったエリックソンは、事件を軍の上層部に訴えるが、上官たちは彼を相手にしない。そんな折、小隊の4人によって命を狙われたエリックソンは、ついに事件の全貌を隊の牧師に訴える。そしてそれをきっかけにして軍による正式な捜査が始まった。ミザーヴ軍曹ら4人の兵士たちは軍法会議にかけられ刑期を科せられた--電車がとまりエリックソンは我にかえった。前に座っていた女学生(T・T・リー=二役)に続いて彼も下車した。目前に広がる平和なキャンパスの風景に、ひとときエリックソンの心が和むのだった。(KINENOTE)
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:マイケル・J・フォックス/ショーン・ペン/ドン・ハーヴェイ/ジョン・C・ライリー/ジョン・レグイザモ
ネタバレ感想
マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、ジョン・レグイザモなど、みんな若い。マイケルJとショーン・ペン、この二人を比べてみたら、どう考えたってベイビーフェイスなマイケルJが正義マン側になるのはわかるのであって、もう序盤からそういう雰囲気プンプン漂わせている。
ショーン・ペンは彼の上官で、戦闘中はなかなか頼りになる軍曹である。マイケルJも、助けてもらってるし。あの穴にハマって抜け出せないシーンはかなり間抜けで、しかも引っ張りすぎな感もあるが、まぁそれは置いておいて、ともかくショーン・ペン扮する軍曹はチンピラ臭漂いすぎ。そして実際にチンピラ野郎である。チンピラっぽさ爆発してるのが、ガムでも噛んでるのか、常に口をモグモグしては唾を吐いているところ。ああいう役柄やらせると、ほんとショーン・ペンて憎たらしい表情するからすごい。
対するマイケルJは完全な正義マンで、その辺がけっこう鼻につくんだけども、孤立して殺される危険すらあるのに自分の筋を通したところは、なかなか勇気があってすごい男だなと思わせる。これが実話なんだもんね。俺だったら、レグイザモ演じてた補充兵みたいにひよっちゃうかも。ていうか、俺はレグイザモけっこう好きな役者なんだけど、ほんとに彼ってロクな役柄演じてなくて悲しい(笑)。
レイプされちゃうベトナム女性は気の毒であるが、ラストのあの描写でマイケルJが少しだけ罪の意識を晴らしている感があるのは、どうなんだろうか。
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