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映画 BROTHER ネタバレ感想 北野武監督のバイオレンスアクション

ブラザー
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BROTHER

北野武作品の中では、『アウトレイジ』シリーズと同じく、内容がわかりやすい部類に入る作品。同監督作品の中ではさほど評価は高くないけども、俺はとても好きな作品である。ネタバレあり。

―2001年公開 日=英 114分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:ロスへ渡った日本の極道が、マフィア相手にのし上がっていく姿を描いたカルチャーギャップ・バイオレンス。監督・脚本は「菊次郎の夏」の北野武。撮影を「バトル・ロワイアル」の柳島克巳が担当している。主演は、「バトル・ロワイアル」のビートたけしと「スクリーム2」のオマー・エプス、「BEAT」の真木蔵人。日英合作。(KINENOTE)

あらすじ:抗争の果てに日本での居場所をなくしたヤクザ・山本は、留学したまま消息が絶えてしまった弟・ケンのいるロスへ向かった。ところが、やっと捜し当てた弟は、仲間のデニーらとジャンキー相手のドラッグ売人に成り下がっており、しかもドラッグ・トレードのトラブルに巻き込まれていた。そんな彼らを持ち前の度胸と無謀さで救う山本。そしてそれを機に、彼は自分の組を組織し、マフィア相手に実力でのし上がっていくのだった。やがて、日本から山本の腹心・加藤も駆けつけ、組織は拡大、絆を深めていく。デニーも、そんな山本たちの日本流のやり方が理解出来ないなりにも、彼のカリスマ的魅力に惹かれていった。だが、そんな日々も長くは続かなかった。やがて巨大なイタリアンマフィアとの抗争の末、壊滅に追い込まれてしまう。そして、たったひとり生き残ったデニーは、どうしようもないが愛すべき山本のことを思いながら、ひとりメキシコへ向けて車を走らせるのだった。(KINENOTE)

監督:北野武
音楽:久石譲
出演:ビートたけし/オマー・エプス/真木蔵人/加藤雅也/寺島進/渡哲也/大杉漣/石橋凌

ネタバレ感想

おい、ドーグ持ってこい!

初めて鑑賞したのは、地上波で放映されたのを録画したビデオだった。あまりにもよかったので、その後、繰り返し何べんも鑑賞した。そのくらい好きだ。

何でか言うに、まずは内容がハードボイルドであるから。主人公の山本が、武闘派のヤクザ者として筋を通して生きようとするところがいいのだ。しかも、彼は生きることに希望を持っていないので、いつ死んでもいいのである。その自暴自棄で破滅的な男と、彼と血のつながっていない様々なキョーダイたちとの関わりが描かれる。そして、その中で、山本という男の生き様を見せつけてもらえるのである。

――と、山本を称賛しているような感想だが、実は俺の一番好きなシーンは、大杉漣氏扮する原田が外様ながらもそこそこ組の中で出世したことを他の幹部からケチつけられて、潔白を証明するために腹をかっさばくシーンである。『おい、ドーグ(道具)持ってこい!』から、自分のおなかを刺し、腸みたいのがビロリンチョとはみ出てる姿には爆笑ーーしちゃうのだが、物語的にも好きな場面なのである。決してバカにしているわけではない(笑)。

 

ところどころ、北野作品にたまに観られるわざとらしい演技のシーンとか、ラスト近く、デニーと山本がマフィアのボスの屋敷に忍び込むくだりなどは無理がありすぎるし、そういう突っ込みどころはあるものの、全体通して観るに、そんなのは許せちゃうくらいに好きなのである。

山本の自殺願望に付き合う弟たち

若い頃は、山本の姿をかっこよいと思って鑑賞していた。そして今でもそうなのだが、よく考えてみるに、山本は自分の自殺願望に大勢の他人を付き合わせた酷い奴――という見方もできる。

そもそも、街のチンピラだった腹違いの弟のケンとその仲間のデニーたちは、ケチな商売で満足していたのに、山本は勝手に彼らの取引相手を潰しにかかり、組織を大きくしている。そして、加藤が死を賭して白瀬を組に引き込もうとする行動が読めない。その結果、加藤の「兄貴大好き自殺」により白瀬が加入することになり、彼とその部下の暴走は放置。組織が強くなったのも、つぶれる羽目になるのも、実は山本のせいなのである。大杉漣が演じる原田以外は(彼の生死は不明だが)、すべて彼の暴走がもとで死ぬことになるのだ――と言えなくもない。

愛してるよ、兄貴!

ラスト、デニーが車を運転しているシーンは、個人的には非常に感動的でイイ場面だと思うが、それまで散々と山本を詰る言葉を言っておきながら、大金くれたことを知って「I LOVE YOU ANIKI」といきなり心変わりしちゃうのはどうなんだろう(笑)。

とは言え、セリフを言い終わった瞬間に唐突に画面がエンドロールに入り、久石譲の曲が流れるところもカッコいい。ということで、繰り返しになるが好きな作品なのである。

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