バード・ボックス
ネットフリックス配信作。最近は音を立てちゃいけないとか、息をしてはいけないとか、考えちゃいけないとか、そういうホラー作品多いよね。で、この作品は「見てはいけない」のである。さほど新鮮味はないけども、最後まで興味を失わずに楽しめた。ネタバレあり。
―2018年製作 米 124分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:思いがけず子どもを身ごもったアーティストのマロリー(サンドラ・ブロック)は、ある日突然訪れた世界の終焉と人類滅亡の危機に直面する。残された幼い命を守れるのは彼女だけ。生き残るためにできることは決して“その闇“を見な>いこと。マロリーは決死の逃避行を決意する―。(filmarks)
監督:スサンネ・ビア
出演:サンドラ・ブロック/トレヴァンテ・ローズ/ジョン・マルコヴィッチ/サラ・ポールソン
ネタバレ感想
サンドラ・ブロックなんて久しぶりに観たな。もともと老け顔なのか、さほど劣化してないように感じた。で、この作品は5年前の過去、世界の終末がいかに始まったのかというところと、その後の世界で生き残りを図るマロリー=サンドラ・ブロックの奮闘が描かれる。
終末がはじまり、偶然助け合うことになった他人たちとの人間模様、そして、その後の世界で母親としていかに子ども2人を守るのか。その動きを交互に描く手法をとったのが、この作品が最後まで興味を持続させる要因になっているように思った。主人公が妹をなくすことになるまでのくだりもなかなか恐ろしく、面白い。
ただし、最初から主人公と子ども二人が川下りしているわけだから、5年前の仲間たちはその過程で死ぬことがわかっちゃう。てことは、この作品は誰が生き残るのかという部分に作品の面白味があるのではなく、危機にあたって仲間たちと繰り広げる人間模様を経て、子どもを授かることをさほど望んでいなかった主人公が、母親として生きる覚悟を持ち、母親としての自覚に目覚める成長物語としてつくられているのではないかと感じた。そして、それはたぶん成功しているんだと思う。
ただ、彼女がどうして子どもを望まなかったのかなどは、父親との関係が少し説明されるだけなので、その辺の背景が弱いかなと感じた。あとは、見てはいけない存在が結局なんなのかは判明しない。それはそれでいいんだけど、繰り広げられる人間模様などはけっこう類型的な感じなので、その辺は既存作品の焼き直しみたいな印象も受けた。
面白いのは、精神疾患があるような人間は、見てはいけない存在をみても、自傷行為をせずに普通に生きられるというところ。なんでそうなのかはわからないけども、それはそれで面白い設定だった。しかし、途中で大虐殺を始めることになる招かれざる客は、どうして意思を持ったままああいう行為に移れたのだろうか。彼も健常者ではなかったということか?
ラストの安息の地が、盲学校だったというのは、なるほどと思わされた。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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