タイム・ダイレイション 死のベッド
風俗店で火災による死亡事故が起きたので捜査を始めたカーター刑事。現場を調べてみると、死亡した人間5人のうち、4人は火災前に死んでいた。そして、なぜか死んでいるはずの犠牲者の一人から、カーターの携帯にメッセージが…。呪いのベッドが贖罪を求めてくるヘンテコSFホラー。ネタバレあり。
―2016年製作 加 84分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:人食いベッドが巻き起こす戦慄の展開と、刑事が事件に挑むサスペンス要素が融合したSFホラー。刑事のカーターは風俗店の火災現場に駆け付けるが、5人の犠牲者のうち4人は火事の前に亡くなっていたことが判明。そんな中、犠牲者の携帯電話が突然鳴り…。(KINENOTE)
あらすじ:2時間前の焼死者から助けを求める謎の電話。彼女を救うことはできるのか…。深夜5時、ある風俗店の火災現場にやってきた刑事バージル・カーター。現場となる焼けた部屋には、巨大なベッドの焦げた残骸と男女4名の焼死体、廊下には男の遺体が転がっていた。しかし、遺体を調べると5人中4名は、切り裂かれたあとや内臓がすべて無くなっている変死体ばかり。唯一、火事で亡くなったのは女性の遺体のみだった。4人の男女は、火事が起こる前に亡くなっていることが判明。そんな中、カーターが犠牲者の遺留品である携帯を調べていると電話が鳴り驚愕する。それは、ここで2時間前に焼死した女性サンディからの着信だった。(amazon)
監督:ジェフ・マー
出演:コリン・プライス/アリサ・キング/デニス・アンドレス/ジョージ・クリッサ
ネタバレ感想
Amazonプライムで見つけて鑑賞。
過去にいろいろな人間の血を吸ってきた木がある。ある日、家具職人が怒りとともにその木を切り倒してベッドにした。それが冒頭のシーン。
そうやって、ベッドの出自が何なのかを説明はしているものの、人間をその木に吊るして殺していた覆面達は何者か、そして、殺されてしまった男女は何者で、何の罪があったのか。その辺はようわからんし、詳しい説明もない。
その後、ハゲマッチョな家具職人(多分)がなぜ、あんな荒れ狂いながら木を切ってたのかもよくわからん。そして、なぜあんな血を吸った木でベッドをつくろうと思ったのかもよくわからん。木が人間の血から怨念を吸い取り、化物になって、ハゲマッチョを操ったということだろうか。
いずれにしても、このはた迷惑なベッドはそれなりの月日を経て、物語中では風俗店の一部屋で使用されている。で、いろいろ端折って説明すると、この呪いのベッドに乗っかった人間は、過去の自分の行為に対して罪の意識などがあると、ベッドがその罪の意識に付け込んで、その人間を殺す呪いを発動するーーのだと見た感じでは思われた。
でまぁ、そういう恐ろしいベッドに関わってしまった4人=2組の男女カップルが呪いのベッドに襲われて死んじゃう。で、カーター刑事がその事件を調べてたら、なぜかその死んだはずの4人のうちの一人から電話がかかってきて、その電話の言をヒントに刑事が事の真相に迫っていくーーというのが大まかな話。
呪いのベッドが過去に罪を犯した人間を断罪して命を奪っていくそれぞれのシーンはなかなかにきちんとつくられていてグロさもある。んで、最初はどうしてそれぞれの人が殺されていくのかが不明なので、その点のミステリーな感じも後に興味を抱かせるという意味で、悪くはない。
ベッドは罪人たちに贖罪を求めているのだということが判明して後も、それそれの登場人物にの死にそれなりの意味があるし、生き残るほうもなぜ生き残れたのかということがちゃんと説明されていて、その辺の辻褄もあっているから説明不足感はなく、むしろ良くまとまっているという印象。
オチとして刑事が次の犠牲者になるわけだが、その結果として火事でベッドが消失するという過去がなくなり、ベッドはまたオークションにかけられたーーみたいなエンドによって、実はベッドが自分の意思で刑事と生き残る女性の過去と現在をつないだのではないかという想像もできる。
そういう感じで、短い時間でそれなりにうまくまとまっているのは良いと思うけど、内容が別に面白いわけでもないというのも確か。過去の人間と電話連絡が取れちゃうというのは珍しい設定でもないし、ましてや呪い云々ってもよくある話だし、しかも殺されるのが過去の罪を贖わせるためってのもありがちで、その辺の新鮮さはまったくない。その二つの要素を混ざあわせたってのは良いと思うけども。
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