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映画 アナザーラウンド ネタバレ感想 ラスト ミケルセンのダンスが印象的

アナザーラウンド
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アナザーラウンド

冴えない中年教師の4人組が、体内のアルコールの血中濃度を0.05%に保つと創造性が増すなどの効用があるという説を証明するために、酒を飲みまくってアル中みたいになっていく。各々の生活が崩壊していき、最後はどうなっちまうのかという話。ネタバレあり。

―2021年公開 丁 117分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「偽りなき者」のトマス・ヴィンターベアとマッツ・ミケルセンが再タッグを組んだコメディ。高校教師マーティンと同僚3人は、血中アルコール濃度を一定に保つと、仕事の効率が良くなり、想像力がみなぎるという理論を証明するため、実験を始めるが……。共演は「THE WAVE/ザ・ウェイブ」のトマス・ボー・ラーセン、「偽りなき者」のラース・ランゼ。第93回アカデミー賞において、トマス・ヴィンターベアが監督賞にノミネートされたほか、見事、国際長編映画賞を受賞した。(KINENOTE)

あらすじ:冴えない高校教師マーティン(マッツ・ミケルセン)と同僚3人は、ノルウェー人哲学者の血中アルコール濃度を一定に保つと、仕事の効率が良くなり、想像力がみなぎるという理論を証明するため、実験を行うことに。朝から飲酒を続け、常に酔った状態を保つことで授業も楽しくなり、生き生きとしてくる。だが、すべての行動には結果が伴うのだった……(KINENOTE)

監督・脚本:トマス・ヴィンターベア
出演:マッツ・ミケルセン/トマス・ボー・ラーセン/マグナス・ミラン/ラース・ランゼ/マリア・ボネヴィー/ヘレーネ・ラインゴード・ノイマン/スーセ・ウォルド

ネタバレ感想

酒を飲んで踊りたくなる

なかなか評判がよさそうなのと、自分もアル中かと思うくらいに酒を飲みまくる人間なので、何か得られるものがあるかなと思い、鑑賞した。

結論から言うと、鑑賞したことで酒を飲んで踊りたくなった(笑)。それ以外の部分で何か発見やら学びがあったかというと、主人公らの泥酔中のふざけた行為や、その後の二日酔い的な暴挙(主人公の奥さんとの口論とか)なんかは、自分の身に覚えがあるような感じでバツが悪い気分になったが、それ以上のものはなく。自制が効くうちにおしまいにするのがよいなぁ、などと、当たり前のことしか思えなかった。

アル中的な感想

デンマークって高校生くらいでも酒が飲めちゃうんだね。それが社会的に問題にもなってるようで、冒頭のシーンなんかがそれにあたる。

いっぽうで、モンゴロイドたる日本人は、アルコールに弱い人が多いらしい。自分の周囲を見てみると、まったくの下戸以外の人は、それなりに飲めちゃう人ばかりなので、その辺は、本当かよ!? と思わなくもないが、基本、そういうもんなんだそうだ。

その中においては、俺は比較的飲めるほうだし、その量と頻度もかなりのものなので、人間ドックなどで検査ののち、医者から「その量でそこまで健康を害してないのは奇跡」と言われたことがある。決して自慢できることではない(笑)。

そういう人間が観た表面的な感想ってのが上記のものだ。

アルコールの力を借りることはアウトか

それにしても、この主人公らがやっていることは、度が過ぎればどうなるかなんてわかりきってることで、いい大人がやることではないんだけども、酒飲みの立場からだと、適度な飲酒によって物事がうまくいくーーという仮説はわからなくもない。

であるから、教師が試験で緊張してる生徒に飲酒を進めるなんて、社会常識的にはアウトなのはわかっているものの、そんなに悪いことをしてるとは思わないのである。

とはいえ、アルコールとの付き合い方は大事

ただ、主人公の授業内容が劇的に変わって人気教師になっちゃうのなんかは、作り話だなぁと思っちゃいはする。アルコールの力を借りて、緊張をほぐしたり、自信のなさをカバーしてもらうのは分かるにしても、授業内容を変えるか否かは、自分の仕事への向き合い方で変えられるもんだからねぇ。

それに加えて、飲みすぎてへべれけになって授業やっちゃったりするのは、やっぱりダメで、酒が飲めるからこそ、仕事の最中とかに飲むには自制が必要なのに、こいつらは、マジにアルコール依存になっていっちゃって、人生踏み外すくらいのことをやらかしちゃってるのはバカすぎる。俺も自分を棚に上げているのは承知なんだけども(笑)。

でまぁ、主人公の歴史教師と音楽教師、言い出しっぺの心理学の教師は立ち直るものの、体育教師は完全にアル中になってしまい、それが発端で死んじまうのだ。

とはいえアルコールで人生を肯定

これにショックを受けた主人公たちは暗い気持ちになるものの、元気よく卒業していく生徒たちの姿に励まされ、何かが吹っ切れたように酒をあおり、踊りくるって自身の生を肯定するに至る。

その肯定の仕方、けっきょく酒の力借りるのかよ! って突っ込みたくなるんだけども、やっぱり、少し酒が入った状態で踊るのって本当に楽しいし、俺も家で飲んだときとかはけっこうそういうことをするし、それってストレス解消になってたりするから、あのラストは自分では納得しちゃったし、とてもいいシーンだなと思った。

最後の最後、主人公が海に向かってダイブするカットで物語は終わる。個人的にはあのシーンは自身の人生を肯定して前向きに生きていくことを描写したものだと思うんだけど、見方によっては、海に転落することは体育教師の死を暗示させるものとして、彼らの行く末を暗いものとしてとらえることもできそう。その辺は意見がわかれるところかもしらん。使われている歌の内容からして、肯定的と思えるが。

ということで、主人公を演じたマッツミケルセンの主演映画は何本目かは忘れたが、今作の彼はラストのダンスも含め、よかったなぁ。あのダンスって全部自分でやってんのかね? あのシーンだけでも見た価値はあった。

葬式のシーンで黒服姿でポケットに手を突っ込んでいる彼は、マフィアにしか見えなかったが(笑)。

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