怪物はささやく
怪物との交流を通じて自分の内面と向き合うことになる少年の成長物語。ネタバレあり。
―2017年公開 米 109分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:世界的ベストセラーとなった児童小説を「インポッシブル」のJ.A.バヨナ監督と「パンズ・ラビリンス」の製作スタッフにより映画化。難病の母を持つ少年コナーのもとに怪物が現れ、怪物が3つの話をしたら4つめの物語として彼が隠す真実を語るよう告げる。原作は作家シヴォーン・ダウドが遺したアイディアをパトリック・ネスが引き継ぎ完成させ、2012年カーネギー賞とケイト・グリーナウェイ賞をW受賞。パトリック・ネスは本作の脚本にも参加している。出演は「博士と彼女のセオリー」のフェリシティ・ジョーンズ、「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバーほか。また、「沈黙 –サイレンス–」のリーアム・ニーソンが怪物のモーションキャプチャーを務めている。(KINENOTE)
あらすじ:難しい病を抱えた母親(フェリシティ・ジョーンズ)とともに墓地が見える家で暮らす13歳の少年コナー(ルイス・マクドゥーガル)は、毎晩悪夢にうなされていた。そんなコナーのもとに、ある晩、怪物がやってくる。そして怪物はこれから3つの真実の物語を話すこと、そして4つめの物語としてコナーが隠している真実を語るよう告げる。抵抗するコナーに構わず怪物は夜ごと現れ、怪物の物語はコナーを突き動かしていく。(KIENNOTE)
監督:フアン・アントニオ・バヨナ
脚本・原作:パトリック・ネス
出演:ルイス・マクドゥーガル/シガニー・ウィーバー/リーアム・ニーソン
ネタバレ感想
難病を抱えた母親がいて、学校ではいじめられていて、眠れば毎晩悪夢にうなされる、踏んだり蹴ったりな毎日を送るコナー少年。ある日、彼は夢か幻か、大木の怪物と交流することに。自分の境遇を憐れんで助けてくれるのかと思いきや、怪物は3つの話をするとか抜かす。
3つの話を聞き終えたら今度はおまんが4つ目の話をするんだぞ。と怪物に言われて鼻白むコナー。でもまぁいろいろあって話を聞いては、また日常に戻りを3回繰り返し、最後は怪物に迫られて自分から4つ目の話をすることに。で、それによりある程度内面の葛藤を解消した彼は、死にゆく母と向き合い、彼女の死を受け入れられるようになる――というお話。
個人的にはあんまり楽しめなかったなぁ。コナーはとても悲惨な少年だけど、なんか常に化け物にあらぬ期待をかけてて、そこにイラついてしまうのである。彼くらいの年頃だったときの俺だって大差ないメンタルだったと思うのに、こうやって40代のおっさんになってみると、上から目線で彼を評価しちまっている自分に気付く。でも、イラつくものはイラつくので仕方ない。現実の生活で年下の人たちにそういうイラつきを感じないで接していくよう心がけよう――と思えたのは収穫だが、そのほかはね…。
これは好みの問題なんだけど、ある少年が自分に似たような人間のエピソードを三つ聞いて、それなりに学ぶところがあって、最後には自分の内面を吐露する勇気を得て、現実と向き合う力を得た―ーというカウンセリングの一部始終を見せられたような気にしかなれなかった。
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