バレッツ
実在したマフィアのボスをモデルにしてつくられた物語らしい。だが、どこまでが史実に沿ったものなのかはわからん。訴えたいものは何となくは伝わってくるものの、全容を把握しづらい、人物描写が残念な作品。ネタバレあり。
―2011年公開 仏 115分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:仲間の裏切りによって全身に22発もの実弾を受けつつも、辛うじて生き残ったマフィアの実話を元に映画化したバイオレンスアクション。主演は「レオン」のジャン・レノ。共演に「マイ・ファミリー/遠い絆」でセザール賞助演男優賞受賞のカド・メラッド、「画家と庭師とカンパーニュ」のジャン・ピエール・ダルッサン。(KINENOTE)
あらすじ:かつてマルセイユの街を支配するマフィアのボスだったシャルリ(ジャン・レノ)。現在は愛する家族と平穏な生活を送っていた。しかしその幸せは、何者かの突然の銃撃によって奪われる。全身に22発もの銃弾を撃ち込まれ、生死の境を彷徨うシャルリ。奇跡的に一命を取り留めると、引退後も彼を慕うカリム(ムサ・マースクリ)ら3人の仲間たちが犯人を突き止める。シャルリを撃ったのは、“死んでも友達”と誓い合った古くからの友人ザッキア(カド・メラッド)だった。復讐しようとするカリムたちだったが、シャルリは“報復が戦争となり、一生引退できなくなる。足を洗うと家族に誓った”と制止。だが、それがカリムの死を招き、ついに愛する家族までも危険に晒すことに……。そして、事態が息子の誘拐にまで発展した時、シャルリは決意を胸に立ちあがる……。(KINENOTE)
監督:リシャール・ベリ
出演:ジャン・レノ/カド・メラッド/ジャン=ピエール・ダルッサン/マリナ・フォイス
ネタバレ感想
冒頭に書いたように、さほど複雑なストーリーではないものの、ジャン・レノ以外の登場人物が誰が誰なのか把握するのが面倒くさい。特に俺がよくわからなかったのが、主人公のマッティの古くからの親友であるオレリオだ。俺は最後のほうまで、仲間の弁護士がオレリオなんかと思っていた(バカです)。
でも彼は、マルティンである。マルティンは、マッティの元奥さんに惚れていたらしく、マッティが彼女と離婚してから、奥さんにしている。マッティには他にも若い時からの親友がいて、それが敵対するザッキアである。
この物語でマッティが守りたいのは家族だ。彼は引退するにあたってザッキアにシマを預けたとき、麻薬と警官殺しを禁じる。すでにザッキアはその両方に手を染めているんだから、いちいちマッティを殺す必要もないんだけど、引退したとは言え、マッティの存在を脅威に思っていたんだろう。あとは、家族と仲良く暮らしてる彼が羨ましかったようにも思われる。だからこそマッティの命を狙うのだ。
ということで冒頭の銃撃シーンだけど、あれ、適当すぎるだろ。あんな至近距離で8人(一人はわざと狙い外してるから実質7人)の人間がマシンガンやショットガンを丸腰の人間に向かってぶっ放してるのに、22発の弾丸食らう程度で済むだろうか。相手丸腰なんだよ!? さらに近づいて脳天ぶち抜けるだろ。どんだけチキン野郎なんだよ――と思わずにはいられない。まぁ、あれで生き残らなかったら映画にならんのだけど。
あと、マッティが復讐するのを決めて、敵地に乗り込むシーン。レストランにザッキアの部下が勢ぞろいしているし、奴らを一網打尽にするチャンスなのに、マッティは、一人ひとりを恐怖に怯えさせてから殺したいのか、一人を射殺してあとは逃がしてまうのだ。そんなアホな。そのせいで無駄に犠牲者増やしちゃってるんだけど。カッコいいシーンでありながら、間抜けにも思えてしまう展開であった。
で、ラスト、元親友との対決となり、ザッキアはマッティに対して、おまんも結局悪人なのだ。と指摘する。確かにそうだ。彼は麻薬売買と警官殺しを禁じているだけで、それ以外のことはやってたマフィアのボスなんだから。でも、家族のために足を洗った。そういう、悪事で稼いでいたくせに、今は善良な一般市民でございーーという面でノウノウと暮らしているマッティに対して、ザッキアは憎しみを感じていたのだろう。おまんも同じ穴のムジナのくせにーーというように。実際、確かにそうなんだよね。
てなことで、このブログではさんざん同じことを言ってるけども、本作も、犯罪は一人でやったほうがいいのではないかと感じさせてくれる内容ではあった。
犯罪は一人でやるべき↓
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