THE Witch/魔女
傑作、『新しき世界』のパク・フンジョン監督の作品ということで鑑賞。なんか今までの作風とはちょっと異なる印象の内容だった。サイキック能力を持つ子供たちの育成機関なんて、大友克洋の『AKIRA』の影響でも受けているんだろうか。それに、近年いろいろつくられている、殺し屋とか元特殊部隊工作員が活躍するアクション作品の要素を詰め込んだような感じの物語。ネタバレあり。
―2018年公開 韓 125分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:韓国発バイオレンスアクション。特集『のむコレ2018』にて上映。(KINENOTE)
あらすじ:ある特殊な施設で育ったジャユンは、8歳の時に逃げ出すが、記憶を失い、助けてくれた酪農家の娘として暮らす。10数年の時が経ち、ジャユンは頭に異変を感じるようになるが、手術費用が出せない養父母のため賞金が出るオーディションを受けることを決意する。(KINENOTE)
監督:パク・フンジョン
出演:キム・ダミ/チョ・ミンス/パク・ヒスン/チェ・ウシク
ネタバレ感想
序盤から中盤までは主人公のジャユンの日常と彼女を追う組織の動きが語られるわけだが、特に大きな展開があるわけでもないので、盛り上がりもなく進んでいく。そして、あることがきっかけでジャユンが己の力を解放してからは、血みどろ殺し合いムービーに変わっていく。
ここからがこの映画のみどころで、それなりに楽しめる。中盤までに人物的な相関関係は丁寧に説明されているから分かりづらさはなく、シンプルだ。だけど、なんか物足りなさも感じてしまうのだ。敵役がさほど強くないからかもしれぬ。例えば、終始強者面した女の能力者がいて、このキャラは『キル・ビル』のGOGO夕張のような存在感があるように思わせておいて、ラストバトルではさしたる活躍もせずにいなくなってまうとか。
ジャユンがかなりの天才的な頭脳の持ち主で、自分の寿命を延ばす薬を手に入れるために、最初から記憶喪失のふりをしていたという設定はよろしいんだが、彼女自身が義理の両親や友人たちの関わりの中から、人としての良心を持てるようになっていたのか、それともそれすら演技だったのか、その辺があいまいなところも何かね。俺がちゃんと読み取れてないだけかもしらんが。
一番脱力してしまったのは、続編を匂わせるラスト。いきなり主人公の隣に謎の女性が現れて、第一部完。みたいな説明がされてて劇終。オイオイオイこの話まだ続くのかよと思ってしまった。ここから何を描くつもりがあるのかよくわからんが、続編が出たらまた観ちゃうんだろうなとは思う。
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