犯罪都市3 NO WAY OUT
マブリーことマドンソク主演の暴力エンタメ作品のシリーズ三作目。所属替えをしたマソクトが死亡事件がらみで日本ヤクザがソウルに流通させてる麻薬の存在を知り、捜査を進めてたら悪徳刑事もそこに絡んでいて、三つ巴の喧嘩を始める話。ネタバレあり。
―2024年公開 韓 105分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:マ・ドンソク主演のアクション「犯罪都市」シリーズ第3弾。ベトナムでの凶悪犯一斉検挙から7年、ソウル広域捜査隊に異動したマ・ソクトは、ある転落死事件の捜査中、背後に新種の合成麻薬と日本のヤクザが関わっているという情報を掴む。監督は、「犯罪都市 THE ROUNDUP」のイ・サンヨン。出演は、ドラマ『ヴィジランテ』のイ・ジュニョク、「ゴジラ-1.0」の青木崇高、「哭声/コクソン」の國村隼。(KINENOTE)
あらすじ:ベトナムでの凶悪犯一斉検挙から7年が経ち、マフィアも恐れる“怪物刑事”マ・ソクト(マ・ドンソク)はソウル広域捜査隊に異動し、ある転落死事件の捜査を担当する。捜査を進めるなか、事件の背後に新種の合成麻薬と日本のヤクザが関わっているという情報を入手する。一方、一条親分(國村隼)の指示で、麻薬を盗んだ組織員たちを処理するため極悪非道な“ヤクザの解決屋”リキ(青木崇高)が密かにソウルに送り込まれる。さらに、消えた麻薬を奪おうと目論む“汚職刑事”チュ・ソンチョル(イ・ジュニョク)も加わり、事件は三つ巴の激戦に突入する……。(KINENOTE)
監督:イ・サンヨン
出演:マ・ドンソク/イ・ジュニョク/青木崇高/國村隼
ネタバレ感想
公開からけっこう日が経ってしまったがようやく鑑賞してきた。内容はいつも通り、マソクト刑事が悪党の悪事を暴力で粉砕していくという単純明快なもの。
今作ではこれまでよりもボクシングスタイルの戦い方が前面に出てる感じ。筋肉ダルマが豪腕をブルンブルン振るうことで、デカぶつもワンパン。格闘技に長けてるチンピラもパワーとボクシングで蹂躙。刀で切り付けてこようが拳銃をぶっ放されようが関係なし。全員が筋肉ダルマの暴力に失神させられてまう(笑)。
とは言え今作では車に轢かれたり、鉄の棒やら金属バットやらで頭をぶん殴られるというどう考えても死んじまいそうな攻撃を受けてるのでそれなりのピンチには陥るので、その辺はこのシリーズではあまり見られなかった光景ではある。
だが、マソクトはそういう攻撃に対して痛そうにしてるけど、大して流血するわけでもなく復活する超人ぶりを発揮してくれる。
てなわけで、もはやこのシリーズは様式美。日本で言えば水戸黄門とかの時代劇を観てるような感じになってきましたな。すでに4作目も韓国では公開間近になってるっぽいし、どっかで聞いた話ではすでに6作目まで制作が決まってるらしいが、今後の作品の内容も容易に予想がつく。
要は、マソクトが猪突猛進型のメチャクチャな捜査をする中で登場する悪党をボコり続け、ラスト近くで一番の大物も暴力で制裁し、おねんねしてもらうというそれだけの話。
しかし、それでいいのだ。このシリーズはマソクトと、それに対抗しうる極悪人の喧嘩が観たいのであり、最終的にマ刑事が勝てばそれでOK。そのプロセスの中でいかに新鮮な要素を入れてくれるのかという部分をこちらは期待しているわけだ。
今作でそれに値するのは日本ヤクザの存在で、國村準はさすがにアクションしてなかったけども、貫禄あるヤクザの親分として魅せてくれるし、青木崇高演じたリキという殺し屋も初登場時はなかなかよかったですな。こいつは左右に控える側近もそれなりの実力者なので、その辺の強者ぶりの描写も後の展開に期待が持てる一因になっていた。結局、暴力刑事にボコられるわけだが(笑)。
もったいないのは、リキがそれなりの悪者として登場したのはいいものの、消えた薬を探すにあたっての手順がテキトーすぎて、最終的に悪徳刑事に出し抜かれる格好になっちゃってるとこ。要するに暴力を抜くとただのバカ。國村準がかなりの信頼をしてる「片付け屋」の割に、知的に感じる部分がなくて、もし仮にその辺が感じられる演出があれば、より魅力的な悪役になれたんじゃないかと思っちゃったな。
もう一人の悪徳汚職刑事のほうも、何であんな奴になっちゃったのかとか、その辺のバックボーンがよくわからんし、あんなメチャクチャしてたら身内にもバレるに決まってんだろと思わなくもない。
まぁでも期待通りの暴力が観れられたので、このシリーズはこれでいいのである。ただ、1作目が個人的には好きすぎるので、それを超えるものはこの先も観られないんだろうなぁという寂しさもなくはない。とはいえ期待はしちゃうんだが(笑)。
そういえば、マ刑事が異動したことによって、前作までの部下たちがいなくなっちゃったのも少し悲しい。ある意味部下とも言える、元イス組の組長は次作でも出るみたいだが(笑)。
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