ジャケット
―2006年公開 米 103分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:2つの時を超えて、一組の男女が謎の死の真相を探るSFラヴ・サスペンス。監督は「愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像」のジョン・メイブリー。脚本は「レオポルド・ブルームへの手紙」のマッシー・タジェディン。撮影は「ツイステッド」のピーター・デミング。音楽は「ミリオンダラー・ホテル」のブライアン・イーノ。編集は「モディリアーニ 真実の愛」のエマ・E・ヒッコクス。出演は「キング・コング」のエイドリアン・ブロディ、「プライドと偏見」のキーラ・ナイトレイ、「ブレイド」シリーズのクリス・クリストファーソン、「おわらない物語 アビバの場合」のジェニファー・ジェイソン・リー、「リーマン・ジョー!」のケリー・リンチ、「BULLY/ブリー」のブラッド・レンフロ、「ミュンヘン」のダニエル・クレイグ。(KINENOTE)
あらすじ:1992年。湾岸戦争で瀕死の重傷を負いながらも、奇跡的に一命を取り留めたジャック・スタークス(エイドリアン・ブロディ)。後遺症で記憶に障害を持ってしまった彼は、とある殺人事件に巻き込まれ、精神病院に送られてしまう。そこで彼は、ベッカー医師(クリス・クリストファーソン)に特殊なジャケットを着せられ、死体安置用の引き出しの中に閉じ込められるという実験的な治療を行なわれた。その暗闇の中で、ジャックは15年先の2007年へとタイムスリップしていた。そこで彼はジャッキー(キーラ・ナイトレイ)という若いウェイトレスと出会い、自分が1993年1月1日に死亡したという驚愕の事実を知らされる。しかも彼女は、92年に出会ったシングルマザーのジーン(ケリー・リンチ)の幼い娘の15年後の姿であり、ジーンは既に火事で焼死したという。それから92年の病院に引き戻されるたびに、患者仲間のルーディー(ダニエル・クレイグ)や女医ローレンソン(ジェニファー・ジェイソン・リー)らと交流を持ちながら、ジャケットに身を包んで2007年を訪ね、自ら死の真相を探り当てようとするジャック。やがてジャックは、ジャッキーと行動を共にするうち恋心が芽生え始め、2人はごく自然に結ばれる。だがジャックに残された時間はわずか4日間。ジャッキーの運命を変える使命感に駆られた彼は、92年に戻って、ジーンが火事を起こすことを食い止める。まもなく予定通り死亡するジャック。そして2007年。ジャックは、母ジーンと共に暮らすジャッキーの姿を確認するのだった。(KINENOTE)
監督:ジョン・メイバリー
出演:エイドリアン・ブロディ/キーラ・ナイトレイ/クリス・クリストファーソン/ジェニファー・ジェイソン・リー/ケリー・リンチ/ブラッド・レンフロ/ダニエル・クレイグ
ネタバレ感想
初めてこの作品を鑑賞したのは、深夜の地上波の映画枠だった。途中からだったけどそれなりに面白く見たのを覚えている。今回、ネットフリックスで発見したので、全編を鑑賞できた。なるほど、キーラ・ナイトレイ扮するジャッキーとは、物語冒頭で出会ってたわけだな。
エイドリアン・ブロディが演じるジャックが、なぜ記憶喪失になったのかも今回の鑑賞で初めて知った。あと、なんで精神病院に入れられているかも。前回、全編見てなくてもそれなりに楽しめたのは、冒頭から精神病院に入ってからしばらくの話って、物語上、描いても描かなくてもよかった部分であったからなのかも。
もちろん、記憶喪失の要因となる戦場での体験がなければ、殺人容疑にかけられることにもならなかっただろうし、精神病院にぶち込まれる必然性も生まれないので、必要な描写だったことはわかる。わかるんだけど、けっきょく真犯人は捕まらないし、ジャックの記憶は戻らないし、そういうことを描きたい映画じゃないのはわかるんだけども、ちょっと消化不良感があった。
てなことで、この物語はラストに至る、切ないロマンスを強調したい話なんだろうね。確かに、ジャッキーに対するジャックの愛情の深さがわかるうえ、自分の思いが成就するどころか、自分とのロマンスすらなかったことになるあのラストは、切ない。だからこそ、いいのである。
しかしだなぁ。腑に落ちない部分はやっぱりたくさんある。たとえば、ジャックがタイムリーぷしちまうのはいいとして、どうして実体として未来に現れられるのかとか、どうして実体化したときに服装が違うのかとか、未来から過去に戻るときの描写がないのはなんでなのか、どうしてジャッキーはジャックが過去に戻る瞬間、姿を消す瞬間を目撃しようとしないのか――てなところが気になって仕方なかった。
俺は時間移動系の映画が好きで、この手のおかしなシーンは他作品にもよくあることだし、そういうところを突っ込んではいけないのが、時間移動系作品なんだってのはわかっているんだけども、作品の良し悪しとは別のところで、どうしても突っ込みたくなってまうのである。
ということで、結局は楽しんだのかどうなのかよくわからん文章になっているが、切ないラブロマンスとしては、悪い作品ではないと思う。自分だったらぜったいあんな思いしたくないけど。あとは、エイドリアン・ブロディがそれなりにお気に入りの役者なので、総じて言うならいい作品だったと思います。
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