羊の木
原作は未読なので、どこまで忠実に再現された内容なのかはよくわからない。仮釈放された受刑者を過疎化している町に住まわせるプロジェクトとか、なかなかぶっ飛んでいる。ネタバレあり。
―2018年公開 日 126分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ギャグ漫画の巨匠2人による同名漫画を基にした、「紙の月」の吉田大八監督の人間ドラマ。6名の男女を受け入れるよう命じられる市役所職員・月末。不審な様子の彼らは新仮釈放制度により自治体が身元引受人となった元殺人犯で、やがて町の日常が狂い始める。2014年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した原作を大きくアレンジ、関ジャニ∞の錦戸亮、「伊藤くん A to E」の木村文乃、「散歩する侵略者」の松田龍平らオールスターキャストを迎え、人間の本性に迫る。(KINENOTE)
あらすじ:さびれた港町の魚深市。市役所職員・月末一(錦戸亮)は、移住してきた6名の男女を受け入れるよう命じられる。しかし6人は言動に落ち着きがなく尋常ではない様子で、彼らの周囲には不審な同行者がいた。実はこれは受刑者を仮出所させ過疎化が進む町で受け入れる国家の極秘プロジェクトだった。6人の経歴は伏されたままだったが、月末は彼ら全員に殺人歴があることを知る。犯した罪に囚われながら、それぞれ居場所に馴染もうとする6人。そんなある日、港で死亡事故が発生。月末の同級生・文(木村文乃)を巻き込んで、町の人々と6人の心が交錯していく。(KINENOTE)
監督:吉田大八
原作:山上たつひこ/いがらしみきお(『羊の木』(講談社イブニングKC刊))
出演:錦戸亮/木村文乃/北村一輝/優香/市川実日子/水澤紳吾/田中泯/松田龍平/中村有志
ネタバレ感想
いろいろな出来事がありつつ、受刑者6人のうちの何名かはラスト、町人として平穏に暮らしている描写があるが、そもそも6人も登場させる必要があったんだろうか。
6人それぞれがなぜ人を殺してしまったのかなどの説明があって、人物の描き分けができているところはいいとおもうけど、床屋に勤める酒乱の彼とか、生き物の死体を埋葬したがる女とか、いてもいなくてもどっちでもよかったような印象もある。
チンピラ臭プンプンな北村一輝はぜったいに何かやらかすんだろうなと思ったら、やっぱりやらかす。彼がトンマなのは、同じく町に受け入れらた他の受刑者を仲間に引き込もうとするところ。
人殺しであることは共通しているからといって、彼以外の人間は、ヤクザから堅気に戻った爺さんを除いて、一般社会で暮らしていた人間である。
日常的に犯罪行為を犯していたわけではない人たちなんて、誘うだけ無駄だということがわかっていない。挙句の果てに殺されちまうんだから、トンマとしか言いようがないですな。
で、一番怪しい松田龍平が予想通り一番の危険人物だったわけだ。彼は人を殺さずにはいられない人物のようだったが、そこを除けばそれなりに普通の人間である。
彼と関わることになった主人公やその元恋人は、彼の素朴さに親しみを感じ、前者は友人のような関係になるし、後者は恋人同士になる。
なるのだが、どうあっても関係は近づかないのである。一時期松田と恋仲となった彼女は、主人公に松田が殺人者であることを告げられると、手のひらを返したように松田との関係をなきものとしたように。
あたりまえだが、それほどに殺人という行為は、人間の普段の営みから逸脱したものなのだ。
ちなみに、全然話が変わるけど、本作に出てくる優香の演技がだいぶ評価されているみたい。確かに、なかなか体当たり演技だなぁと思った。あのオッサンとの汚いキスシーンとかすごいとは思った。
昔から優香は好きなタレントだったが、今作の彼女にはまったく色気を感じないし、美人にも見えなかった。あんまりキレイすぎてもリアリティがないという意味では、あのくらいでいいんだろうけど、やっぱあんまり美人に見えないのである。そこが演技の妙というところだろうか。
さらに余談だが、優香の旦那である俳優の青木崇高を、仕事の関係で見たことがある。実際に何か関わりがあったわけではないが、俺も現場にはいたので実物の彼を見た。ワイルドなイケメンで、周囲のスタッフにも気遣いをしてて、性格もよさそうであった。
こいつが毎晩のように優香の乳を揉んでいるのだなと思うと、最初は少しむかついたんだが、写真撮影したり、取材に応じたりしている彼を見ていると、こいつなら優香の乳を揉む資格はあると思うようになり、最終的に敗北を認めるしかなかった。そのくらいにカッコいい男であった。実に、いろんな意味でうらやましい男であった。ちくしょう(笑)。
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