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映画『NEXT ネクスト』ネタバレ感想 2分先が見えてもそれは無理だろ 

ネクスト
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NEXT ネクスト

いつも困った顔をしている役者と言えば、ニコラス・ケイジとウェズリー・スナイプスのどっちかだろう。ということで、前者が2分先の未来が見えるマジシャンを演じている。しかし、別にマジックショーの話ではない。作品のことだけでなく、2分先が見えるとはどういうことなのかを考える。ネタバレあり

―2007年公開 米 95分―

解説:2分先の未来を予知できる能力を持つ男が、核爆弾テロ阻止に挑むSFアクション。出演は「ゴーストライダー」のニコラス・ケイジ、「めぐりあう時間たち」のジュリアン・ムーア、「ステルス」のジェシカ・ビールほか。監督は「007/ダイ・アナザー・デイ」のリー・タマホリ。(KINENOTE)

あらすじ:クリス・ジョンソン(ニコラス・ケイジ)は、自分に直接関係のある2分先の未来を見ることができる。そのことを周囲に隠しながら生きているクリスだったが、そんな彼にもってこいの職業がラスベガスのマジシャンであった。二流のショーは満場になることもない。しかし、余分な金が必要な時はブラックジャックで稼ぐことができた。ある夜、いつものようにひと稼ぎして、カジノの換金所で現金を受け取っていたクリスは、今歩み寄ってくる男が強盗をする2分先の映像を見る。クリスは反射的にその男を暴力で阻止するが、他人の目には、一方的に男を攻撃したクリスが悪いということになってしまう。なんとか逃げ帰ったクリスに、カリー・フェリス(ジュリアン・ムーア)というFBI捜査官が訪ねてきた。ロサンゼルスを核兵器によって爆破しようとしているテロリストの陰謀を阻止するために、クリスに協力してほしいという。しかし、クリスはそんな面倒なことに関わるつもりは全くなかった。そんな折、時々彼の頭をよぎっていた女性リズ(ジェシカ・ビール)にようやく出会うことができたクリスは、喜びに胸をときめかせる。しかし、お互いに恋心が芽生えるようになった頃、カリーがリズに近づいてくる。リズを巻き込みたくないクリスは、自分の能力をリズに告白、再会を約束して彼女をひとりで逃がす。そんな中、カリーはクリスを捕まえ、テロリストの行動を読めと強引に迫る。突然、クリスの頭に、テロリストに捕らえられたリズの姿が映った。クリスの頭に浮かぶイメージをもとに、カリー率いるFBIは場所を特定。彼らはロサンゼルスへ向かった……。(KINENOTE)

監督:リー・タマホリ
原作:フィリップ・K・ディック
出演:ニコラス・ケイジ/ジュリアン・ムーア/ジェシカ・ビール/ピーター・フォーク

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2分先が見えるってどういうこと?

この主人公は2分先に起こる出来事が視覚的イメージとして脳裏をよぎる能力を持っている。しかも、偶然ではなく意図的に観れるっぽい。なかなか便利そうで面白そうな能力だ。

2分先のことは2分後に起こることなわけで、主人公のクリス(ニコラス・ケイジ)はその起こるべきことを起こさないよう、2分前の現時点(ややこしい)で別の選択肢を選び、未来を変えてしまえる。

しかし、2分先を見るというのはどういうことなのか。2分先を見ている間、現実のクリスにとってもある程度の時間が経過しているような描写がある。未来のビジョンを観ているときに、彼が棒立ちになっているシーンがあったことで、それがわかる。

彼は2分先の未来しか見られないそうだが、では、ずっ~~と2分先の未来を見続けたらどうなるんだろう。それは、ずっと2分先の未来を見続けて生きているのであって、2分先を生き続けている2分前の人ということか? その間、ビジョンを見ているほうの彼はずっと棒立ち(笑)。

あの能力で、ああいう未来の変え方はできるのか?

設定というか能力についてはまぁ、何となくわかるものの、いろいろのことを考えたらこの作品の中で示されている描写だけでは2分先を見る能力の全貌がつかめなくて、頭が混乱してしまった。

それを無理やり解釈すると、この作品の世界には多次元宇宙があって、クリスは2分先という条件つきではあるが、2分先の無限の可能世界の中から、自分にとって最適な場を選べる能力の持ち主ということだろう。

しかし、そうだとするとおかしいのは、クリスが能力を発揮して相手のパンチや弾丸を避けまくることや、ジェシカ・ビールと恋仲になるために、『恋はデジャ・ヴ』のビル・マーレイと同じように、何度も相手にアタックを繰り返すシーンは、無理なんではないかということだ。

なぜなら、2分後の、選択を失敗した自分のビジョンを見たあと、我に返ってさらにまた2分先の未来を見る――ということを繰り返している間に、2分前の時間も進んでいるわけだから、次のビジョンも、先ほど失敗したビジョンのシチュエーションとは状況が異なっているはずなのだ。

上記はそれよりも前に述べた、棒立ちになっているシーンを思い出してもらえばわかるはず。

 

 

同じシチュエーションを繰り返すことはできないのでは

あれだけの攻撃を避けるには、何回も失敗しながらその動きを覚えなきゃならない。これはオール・ユー・ニード・イズ・キルを見ればわかる。しかし、クリスは同じシチュエーションを何度も繰り返すことはできない。可能世界を行き来できるのではなく、選ぶことしかできないのだから。

まぁしかし、そんなに突っ込んでも仕方ないといえば仕方ない。この作品においては、ヒロインに関わる未来については、2分以上先が見えるという超都合のいい設定なので。これについての説明が一切ないのは納得がいかんが、そういう映画なので、これ以上このことについて考えるのはやめておく(笑)。

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飽きずに最後まで楽しめます。前半は主人公の死にっぷりでけっこう笑えるし。てなことで、前半はいつもみたいに作品についての話。中盤以降は作品を通じて、成長するとはどういうことなのかを考える話。最後は時間軸の扱い方など作品を通じて考えたことについて話したいと思います。

結末が描かれてないが、結末はある(笑)

クリスのこの力を、FBIが核爆弾をアメリカに持ち込んだテロリスト探しに利用しようとする。これが話の大筋である。

ところが、序盤からその大筋でズンズン話が進むのかと思いきや、いきなりラブロマンスな展開が挿入される。もちろん、これは蛇足ではなく物語上、それなりの役割を果たすのだが、中盤までそんな感じで話が進み、残りの時間からいよいよ超能力を駆使したテロリスト殲滅作戦に入るのである。

で、ある意味寄り道したおかげで、この映画は結末が描かれないのである(笑)。描かれてはいるのだが、その結末はクリスにとっての失敗の未来。なので、ラストは中盤のジェシカ・ビールとイチャイチャした夜まで戻り、「夢オチでした。もう一回やり直して、アイツらを倒します」という終わり方になる。

中途半端な終わりに思えなくもないが、もう彼の能力を使ってやれることはわかったので、それ以上見せられても面白くないだろう、という意味では、綺麗な結末とも言えるわな。

ジェシカ・ビールが素敵(特に最初)

ジェシカ・ビールの最初の登場シーン、マジで美人だったなぁ。あれは主人公目線の補正をかけた描写なわけだが、本当に美人だと思った。ただ、ダイナーを出てからはそうでもない。もちろん美人だとは思うけど。ともかくあのシーンはすごいと思う。

ピーター・フォークの無駄使い

あと、ピーター・フォークが出てた。普通ピーター・フォークと言えば、『刑事コロンボ』を思い出すと思うけど、俺にとってのピーター・フォークは『カリフォルニア・ドールズ』である。どうでもいいね(笑)。この作品では、冒頭に主人公の理解者として登場するわけだが、重要な役割を果たすかと思わせといて序盤以降は全く登場しない(笑)。わざわざ彼を出す必要があったのか甚だ疑問である。

 

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