ネイビーシールズvsエイリアン
なんとも安っぽいSFアクション。突っ込みどころが多すぎるが、最初から期待しないで観れば何とか劇終を迎えられるーー人もいると思う(笑)。ネタバレあり。
―2019年製作 米 98分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:研究所で科学者達が姿を消す不可解な事件が発生し、特殊部隊は極秘に調査を開始。研究所で部隊を待っていたのは、地球に存在するはずのない未知の生物だった。(Netflix)
監督:ジェレマイア・ジョーンズ
出演:クレイトン・スナイダー/サル・レンディーノ/スコット・C・ロウ/スコット・キング/ダニエル・ワシントン/デヴィッド・メドウズ/ホゼ・ガンズ・アルヴェス/ラリッサ・アンドラージ
ネタバレ感想
適当なあらすじ
すでに登場人物たちの名前を忘れてしまったので、あらすじを書くのが面倒くさい。が、一応できるだけ書いてみると、主な登場人物は5人。まず、アメリカ海軍特殊部隊、ネイビーシールズの隊員が4名。内訳は、大尉とその兄貴、そして機械などの知識がある人。あとは衛生兵。残る一人は、隊員らが任務で向かった施設の生き残りの、研究者の女性。
で、適当なあらすじ。大尉と兄貴は過去の事件で意見の対立があり、兄貴のほうはそれがきっかけで隊を抜けて、射撃訓練場で働いていた。ある日、大尉に上官から招集命令がかかる。そのときに兄貴も連れて来いと言われる。しぶしぶ兄に会って、事情を説明する大尉。そして、いろいろあって、兄も招集に応じることになった。
上官とCIA(たぶん)らの話によると、ある山中にある施設の研究者たちが、わずかな時間の間に100名も消えてしまったらしい。で、その原因を探るとともに、施設の中に存在する「あるもの」を回収してこいと命令される。なんだかよくわからんけども、施設に送り込まれた4名。
施設内で見つけた生き残りの女性研究者から得た情報によると、地下に謎の物体があって、施設ではそれを研究していたとのこと。しかし、あるときにその物体が作動して、無菌室みたいのにいた自分以外は、物体の放った何かによって一瞬にして灰になってしまったというのだ。それを聞いた大尉たちは、物体をエイリアンによる大量破壊兵器と判断、司令部に連絡しようとするが、通信手段が遮断されている。
大尉と兄貴は、施設周辺を哨戒していたドローンが爆破されたことを察知。それと時を同じくして、何者からの襲撃を受けた。必死で応戦する二人、なんと相手は、黒い鎧のようなものに身を纏った、謎の4人組だった。奴らはバリアのようなものを張り巡らせており、銃弾がきかない。果たして大尉たちは無事、エイリアンを倒して任務を完了できるのだろうかーーというのが適当なあらすじ。
こんな作品を世に出せる勇気に拍手を送りたい
ともかく全編通して安っぽいです。そして、面白くないです。俺はこういう駄作を観るのが嫌いではないので最後まで観られたけど、エイリアンとのド派手な銃撃戦やら何やらを期待している人は、観ないほうがよいと思います。
突っ込みどころは満載で、作り手はどうしてあんな適当な設定に納得して最後まで製作を進められたのか、理解に苦しむ。しかし、こんなレベルの低い作品を世に出せる勇気には、拍手を送りたい気分だ。
突っ込みどころ
瞬間移動できるなら目的すぐ果たせるだろ
てなことで、突っ込みどころ。
まず、あまりにもおかしいと思ったことから。敵のエイリアンは壁をすり抜けて移動ができる。主人公たちは、「やつらは瞬間移動ができる」と言っていた。実際、こいつらそれっぽいことができるのである。すごい能力だ。
主人公たちは施設に立てこもって、地下にある謎の物体をエイリアンの手から守ろうとする。実際に、守っている。これは明らかにおかしい。何でエイリアンたちは、直に謎の物体のところに瞬間移動しないのか。わけがわからない。
近距離にしか移動できないかというと、そうではないのだ。衛生兵が一人のエイリアンと肉弾戦をするシーンがある。その中で、何のためにそんなことするのかよくわからないが、エイリアンが衛生兵を連れたまま様々なところに瞬間移動する(いくらでも殺すチャンスがあるのにそれはしない)。なんと、彼らの故郷である星にも移動してみせるのである。
何でこんな能力があるのに、エイリアンたちは施設の外に仕掛けつくったり、ドアを破ろうとしたりする必要があるんだろうか。理解不能。だが、それについては何の説明もない。しかもだ、自分の故郷に帰れるほどの能力を持っている癖に、なぜかラストで彼らは、宇宙船に乗って帰るのだ。あほか。どんだけ旅行好きなんだよ、瞬間移動で帰れや。
というか、これを書いてて思ったのは、もしかしたら瞬間移動は特殊能力なので、あのメンバーの全員ができるわけではなかったのかも。でも確か、施設内の戦闘で他のやつら(全員同じ格好なので見分けがつかない)もしてたように思うんだが。ま、どっちでもいいや(笑)。
ありがちな兄弟愛
主人公側の人物描写だが、一応、仲たがいしてた大尉と兄貴は劇終までの間に関係を回復する。他の2名の隊員はそれなりにキャラ紹介はされるが、その、ありがちで寒い人間ドラマにはまったく加わってこない。女性研究者はそれなりに重要な役割を果たすものの、その人となりは対して描写がないので最後までよくわからないで終わる。
言語を解明した!?
次のつっこみどころ。謎の物体は赤ん坊を入れた脱出ポッドみたいなものだったらしい。大量破壊兵器ではなかった(とはいえ、100人も灰にしてるんだけど)みたい。よくわからん。
で、いろいろ女性研究者がエイリアンの使う言語を解明しようとして、「何とか序列」だか何だか、数学的理論を用いることで、それはできたみたいなんだけど、それが判明した途端に、謎の物体がこれまでにない動作をはじめ、赤ん坊が姿を現すわけだが、言語が解明したことと、物体が反応し始めたことの関連がさっぱりわからない。何なんだ、あれは。
しかも、言語を解明したと言っても、結局エイリアンがどういう言葉を話してて、それらにどういう意味があるのかなどの説明はない。
ラスト、隊員たちがこの赤ん坊を返すことでエイリアンたちは地球を去っていくわけだから、やつらの目的が侵略ではなく赤ん坊回収だったということはわかる。わかるんだけども、言語を解明したとか言ってくるくせに、やつらとの会話はひとつもない。すべてジェスチャーのみである。ちなみにこのエイリアンたちは青ざめた半漁人みたいな顔をしていてキモい。
ついでにこのキモいエイリアンたちは、そんなに戦闘的な種族ではなかったようだ。だから赤ん坊を返されたことで大人しく去っていったのだろう。にしても、隊員たちが彼らの弱点は電気?にあると発見してから、施設に残っている家電をひっかき集めて、エイリアンをひとところに集めて攻撃する作戦があるんだけど、俺の頭が悪いのか、彼らが何をしているのかよくわからんかった。
ラストの謎は謎のまま
ラストのラスト、今回の件を報告するためにCIA(たぶん)に来た大尉と兄貴が「これまでのことを忘れている」だのなんだの囁きあっている意味不明なシーンで物語は終わる。
たぶん、宇宙人にさらわれた人間はさらわれたときのことを覚えていない(つまり記憶を消されている)という話がいろいろな作品で出てくるけど、「忘れている」というのは、それと似たような自体が起きているというようなことだと思われる。だが、言っている本人たちがそのことについて会話できているから、体験したことを覚えているんだろうという解釈もできる。
他の隊員や研究者が忘れさせられているということを言っていたのかもしらんが、ともかく何だかよくわからないうちに、すっきりしないまま物語は終わる。何なんだよ、ちゃんと説明しろよ。
ということで、最後まで観られたことが不思議になるくらいの駄作。でも、下記の作品のようなイラつきは感じずに観られた。なぜかはわからない。この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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