THE LOOP ザ・ループ 永遠の夏休み
時間移動系の作品が好き。ということでネットフリックスで発見して鑑賞。ラストの描写がなければもう少し分かりやすい内容だったと思うんだが、そこが残念ポイント。ということで、個人的に感じたこの作品のよいところを。ネタバレなし。
―2012年製作 米 91分―
解説・スタッフとキャスト
解説:ハリウッドで活躍する若手スターが多数出演するシチュエーションスリラー。夏休みに森の奥にある友人の別荘を訪れたクレア、TJ、レックスたち。ところが、TJとレックスが別荘近くの坑道で、彼ら自身の死体と入り口に書かれた謎のメッセージを発見し…。(KINENOTE)
監督・脚本:リチャード・グレイ
脚本:ロバート・クロス
出演:ブリアナ・エヴィガン/ジュリアンナ・ギル/イーサン・ペック/ラフィ・ガヴロン
感想
個人的には楽しめた
この映画は時間移動系の中の、ループものを扱った作品ということができるのか、その辺は何とも言えぬ。ウロボロスを引き合いに出すなど、謎めいた伏線をそれなりには回収してくれるので、なかなか面白い作品ではあった。
ただ、ラストの描写のせいで、個人的解釈に辻褄が合わなくなってしまったのだが、何度も見返して考察したい気にはならなかった。だから、この記事は内容を考察したりするものではない。
ということで、作品の分からなかった部分を知りたい人は、詳細を考察してブログに公開している人がいるので、本作のタイトルとネタバレと入力・検索して、そっちの記事を読んだほうがいいです。
むしろ俺がここで紹介したいのは、鑑賞した人にしかわからん、個人的に思った話について。俺がこの作品に好感を持ったのは、レックスなる人物の中盤くらいのセリフに共感したから。
同一人物が同じ存在ではないことをセリフで示す
この登場人物、レックスは薬物を常用しているようで、まともな言動がほとんどなくてウザいんだけども、中盤くらいに薬が切れたのか、メンバーの中で最も頼りになるというか、状況をよく理解して判断力のある人間として描かれる場面がある。
そのシーンは彼と従兄のTJが坑道の中で、未来のクレアと遭遇する場面だ。あの場面で、何かに怯えているクレアを元恋人のTJは見捨てることができず、一緒に連れていこうとする。しかし、レックスはそれを制止してこのようなセリフを言う。「あのクレアは、お前の好きなクレアではない。お前の好きなクレアは今、別荘でお前を待っている」。
大体こんな感じ。このセリフはすごいと思う。この手の映画でここまで自覚的に、同一人物を異なる別の存在として認識し、そのことを言い表す台詞を述べる人物には、お目にかかった記憶がない。
レックスにそう言われたTJは、納得できていないようだった。なぜならTJは、目の前のクレアと、自分と同じ時間に生きているクレアを、別の存在として理解できていないからである。
俺がこの作品が優れていると思ったのは、その点だ。何を言っているか訳がわからない人は、以下の記事でそのことの詳細について書いているので、仮に興味があればそちらを読んでいただければと思います。
コメント