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映画 ボイリングポイント沸点 ネタバレ感想

ボイリングポイント沸点
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ボイリングポイント沸騰

プライベートがうまくいってないレストランのシェフが仕事に出たら、散々な目に遭う話。レストランで起るさまざま出来事をワンカットで描写するところがすごいが、これを見て、働くのが嫌になる人もいるかも。ネタバレあり。

―2022年公開 英 95分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:ロンドンの高級レストランを舞台に、崖っぷちのオーナーシェフの波乱に満ちた予測不能な一夜を、90分間全編ワンショット、正真正銘のノー編集、ノーCGにより描いた人間ドラマ。新鋭フィリップ・バランティーニ監督が華やかな職場の表と裏が同時に味わえる濃密な時間をつくりあげた。製作総指揮・主演を務めたのは「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」「アイリッシュマン」のスティーヴン・グレアム。崖っぷちシェフのアンディがたどる大波乱の運命を、ただならぬ気迫と悲哀をこめて体現し、BAFTAの主演男優賞にノミネートされた。アンディの頼れる相棒で、混乱に陥った厨房を支える副料理長カーリーに扮するのは、TVシリーズ『SHERLOCK/シャーロック』のヴィネット・ロビンソン。加えて「スナッチ」の曲者俳優ジェイソン・フレミングのほか、即興演技が得意な若手キャストが迫真のアンサンブルを披露している。レストラン内を縦横無尽に動き回るカメラワーク、俳優たちの即興演技がもたらす圧倒的な臨場感に加え、激しくうねるサスペンスフルな人間模様、鋭い社会性をはらんだ心揺さぶるドラマ。(KINENOTE)

あらすじ:一年で最も賑わうクリスマス前の金曜日、ロンドンの人気高級レストラン。その日、オーナーシェフのアンディ(スティーヴン・グレアム)は妻子と別居し疲れきっていた。運悪く衛生管理検査があり評価を下げられ、次々とトラブルに見舞われるアンディ。気を取り直して開店するが、予約過多でスタッフたちは一触即発状態。そんななか、アンディのライバルシェフ・アリステア(ジェイソン・フレミング)が有名なグルメ評論家サラ(ルルド・フェイバース)を連れてサプライズ来店。さらに、脅迫まがいの取引を持ちかけてくる。もはや心身の限界点を超えつつあるアンディは、この波乱に満ちた一日を切り抜けられるのか。(KINENOTE)

監督:フィリップ・バランティーニ
出演:スティーヴン・グレアム/ヴィネット・ロビンソン/ジェイソン・フレミング/エイン・ローズ・デイリー

ネタバレ感想

レンタルで見つけておもしろそうだったので、なんとなく鑑賞。妻子と別居するなど、プライベートに問題を抱えるレストランのシェフ、アンディが仕事で散々な目に遭う話。とは言え、そうなっちゃうのには、アンディ自身にも落ち度がかなりあって、現場を掌握できてないために、それぞれのスタッフがいろいろ不満を抱えて働いているのが見て取れる。ヤクに頼っちゃってるし。

アンディは自分のことが手いっぱいで、アンディを補佐する仕事をしているカーリーや、その他たくさんのスタッフら、下の人たちの管理をかなり適当にしていたんだろうなーーという感じがする。

このレストランはアンディを雇っているオーナーがいるらしく、店舗運営を任されているのは、オーナーの娘で、アンディはその下の立場。彼女は厨房ではなく客席の仕切りを任されていて、それなりに頑張っているものの、この人も無能。

スタッフからけっこう嫌われているようで、いろいろあって不満が爆発したカーリーに罵詈雑言でありつつも、適切な指摘を受けちゃったもんだから、意気消沈しちゃって、オーナーである父親に電話しちゃう芯の弱さ。

この人がきちんと厨房および客席係のスタッフを掌握しきれてないのは、物語を通じて嫌と言うほど見せられる。カーリーに非難されたあとは、信頼回復のためなのか何なのか、スタッフとのコミュニケーションが足りないと感じたようで、仕事の合間に個々のスタッフと食事をする約束を取り付け始める。ただ、店の中はかなり多忙な状況だし、いろいろの事件が起こっている中で、そんなことする前にやることあんだろって思っちゃうので、やっぱり彼女は無能。

ついでに、彼女に仕事を任せているオーナーも当然無能。要するに、オーナー企業ってのはこんなもんなんだろうなってのがよくわかる作品になってる。もちろん、それなりに人気があるレストランのようなんで、うまく行っているときはいいんだろうけど、職場環境はよろしくないので、スタッフもろくな人間がいない。そうなると、管理する側も大変だろうなってのはわかるものの、そもそもそれは雇う側が悪いのであり、スタッフのせいではない。

とはいえ、ヤクをきめてさぼりまくってる裏方のスタッフとかは即死レベルの無能。あと、ホールスタッフのロビンとかいう姉ちゃんも糞。人種差別主義者の親父のテーブルで、最初に注文取って、「私が担当します」とか言いながら、その後は二度とそのテーブルにいかないからね。この姉ちゃんは他のスタッフと喋ってばっかりで、ほとんど仕事してないように見える。まぁそうはいっても、客の中にも嫌な奴がたくさんいるので、できるだけサボりたい気持ちはわからんでもない。

いろいろあって、最終的にアンディはぶっ倒れちゃって物語は終わり。この顛末は飲食業界に限った話ではなく、組織で働くことの嫌さとか、その崩壊っぷりが色濃く示されていて、会社員の俺にとっても身につまされるような内容であった。カーリーは給与があがらないなら辞めたいと思っていて、図らずも爆発してそうならざるを得ない状況を自分でつくっていたが、そうでもしないと情に流されちゃったり何なり、辞めるのが難しい性格の人っているよね。

「いつかこんな仕事辞めてやる!」と思いながら社畜として働き続ける人もけっこういるわけで、「働かないでたらふく食べたい」を目指している自分にしても、この作品の表現に刺されちゃう部分は多くあったな。

書籍『はたらかないで、たらふく食べたい』栗原康 著 人間はウンコだ(笑)
面白い書籍だ。「なるほど、そういう考え方もあるんだな」と思わせる視点で意見を放ったかと思うと、そのすぐあとにユーモアのあるふざけた一文を入れてくる。「はたらかないで、たらふく食べたい」人はぜひ! ータバブックス (2014年4月21日)ー
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