『12ラウンド』(2008年)アメリカ 110分
日本未公開らしいです。アマゾンプライムで視聴。なんかあんま評価高くないけど、そんなに酷くもないのでは? もちろん突っ込みたいところはいろいろあるが(笑)。昔の地上波でやってた洋画劇場向きな作品です。
解説:ある犯人を捕らえた際にその恋人を誤殺してしまった刑事が、復讐に燃え脱獄した犯人から次々と脅迫ゲームを仕掛けられていくさまを描いたクライム・アクション。監督は『クリフハンガー』のレニー・ハーリン。出演は『ネバー・サレンダー 肉弾凶器』のジョン・シナ。ニューオーリンズ市警の刑事ダニー・フィッシャーは、テロリストで強盗犯のマイルズを現行犯で逮捕。しかし、その大捕物の過程でマイルズの恋人を死なせてしまう。すると1年後、脱獄に成功したマイルズはダニーへの復讐を開始、ダニーの恋人モリーを誘拐する。そして、街の至る所に仕掛けた12ものトラップを全て制限時間内にクリアしなければモリーの命はない、と恐怖のゲームを突きつけてくるのだった。恋人を救うため、次々にトラップをクリアしていくダニー。だが、そのタイム・リミットは刻一刻と迫っていた…。(allcinema)
監督:レニー・ハーリン
出演:ジョン・シナ/アイダン・ギレン/アシュレイ・スコット
巨匠? レニー・ハーリン監督作!
レニー・ハーリン監督って懐かしいなぁ(笑)。『ダイ・ハード2』とかメチャクチャだったけど面白かったし、『クリフハンガー』もよかったよね。他にも、『ロング・キス・グッドナイト』とか『カットスロート・アイランド』、『ディープ・ブルー』とか・・・。
この作品も、もう10年くらい前のだし、本当に最近は名前聞かなくなったね。冒頭で地上波の洋画劇場向きと書いたけど、確かにレニー・ハーリンならそういう内容になるわな(笑)。
ゴリラが走りまくる! 壊しまくる!
主役のジョン・シナってプロレスラーなんだってね。なんかゴツイし、ゴリラみたいな人だなって思った。敵役はけっこうスマートだったので、体格的にも、最初から勝負がついてる(笑)。さらに射撃の腕前もすごいし、体力も走るスピードもすごい。冒頭から走りまくってます。
にしても、いくらよく知っている土地で路地の抜け道を使えるといっても、車の進路に先回りできるほどの走力ってどういうことかね。なんか、ヨットというかクルーザーみたいなのをパワーで動かすシーンあったけど、どうやって追っかけてた車より先にあの地点にいけたのか、謎すぎて笑ってしまった。
あと、この主人公は敵にさらわれた彼女を助けるためなら何でもしちゃう男なので、警察の癖に公共物だの民間人の車だのなんだの、ともかく何でもかんでもぶっ壊しまくって大暴走。市民からしてみれば、奴のほうが悪人である。1人で何億円分の損害出すつもりなのだろうかーーと、どうでもいいことが気になってしまった。
過去のアクション作品の要素がいっぱい
作品内には、『スピード』とか『ダイ・ハード3』(話の筋がダイ・ハード3ぽい)を思わせるところもあって、過去のアクション映画からかなり着想を得ているように見えるごった煮な作品だなぁと思った。出てくる人物もそうで、あの相棒とか、無能なFBIとかは、他の作品にありそうな人物造形だ。
にしてもFBIのあのオッサン、何で心変わりしていきなり主人公を手伝う気になったんだろうか。唐突過ぎて「!?」て感じ。一応セリフでそれっぽい説明はしてたけど、なんか説明になってないような気がした。最初、頭がヤバイ人になったのかと思ってしまった。
この悪役いいんじゃない!? と思ったのに・・・
で、敵役はスマートと言ったけど、なかなか頭もいい。かなり緻密な計画を立てられるし、実際立てている。それができる切れ者だってのは、街中でチェスやっている人に駒の動かし方を教えるところでよくわかる。彼は美人な彼女がゴリラに殺されてしまう(笑)から復讐に走るわけだが、計画を進行することで、金も強奪できるようになっている。復讐と強盗を一挙にやっちゃおうというなかなかすごい奴なので、悪人としてはかなりいいキャラだと思いました。
思ってました。最後のほうまでは・・・。
ところが、最後のほうで、すごいがっかり。バカすぎ。そこを以下で説明します。
あんだけ切れ者だったのに・・・
悪人が誘拐したゴリラの彼女(アシュレイ・スコット)、病院で働いているらしい。で、アシュレイの働く病院がラストの舞台になるんだけど、彼女はヘリコプターの運転ができるんだよね。悪人は病院の屋上に彼女を連れてって、ヘリコに乗せる。なるほど。悪人は操縦もできるんだなと思わせる。
ところが、悪人は彼女にヘリコを運転させようとするのだ。「え、あの娘は運転できるの?」と思いました。できるなら、先にどっかで説明描写入れろや。あったっけ? なかったと思う。救急隊員かなんかなのだろうか? でも救急隊員ってヘリコ操縦できるのか?
そのくらいはまだいいんです。一番ダメなのは、あんだけ用意周到かつ緻密な計画を立てられる切れ者が、なんで最後、自分の敵側にいる女性が操る乗り物に頼って脱出するなんてことを、計画の中に入れたのかってことだ。悪人はヘリコ運転できないから、彼女に頼るしかない。そんなアホな。と思いましたよ。
で、飛び立とうとするときも時間稼ぎされちゃって、主人公がヘリコに乗り込んでくることに(あの搭乗の仕方もかなり無理があったなぁ・・・)。トンマなやつだと思いました。そんなわけで、最後の最後でガッカリしてしまったのである。あれって、計画を途中で変更せざるを得なくなって、屋上に来ていたのだろうか。だとしたら仕方ないんだが、そんな描写があったかどうか。たぶんなかった。
ということでこの作品、あんまり世間の評価は高くない。でもまぁ、そんなに長くないし、気楽に見れば面白いです。
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