リミットレス
脳の機能を100%引き出してくれる薬なんて言われたら、そらぁ誰だって使いたいくなる。潜在意識に残る記憶までも引き出して、目的に対しての対策を導き出せる。そんな人間になれたら、メイクマネーできちゃうわな。実に羨ましい能力だが、作品自体はさほど面白いわけではない。昔の地上波向けな中途半端娯楽映画である。ネタバレあり。
―2011年公開 米 105分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:アラン・グリン原作の小説『ブレイン・ドラッグ』を映画化。人間の脳の限界を超えることができる新薬を巡る陰謀を描くサスペンス・スリラー。出演は、「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」のブラッドリー・クーパー、「ストーン」のロバート・デ・ニーロ。監督は、「幻影師アイゼンハイム」のニール・バーカー。(KINENOTE)
あらすじ:作家志望のエディ・モーラ(ブラッドリー・クーパー)は出版契約を交わしたにもかかわらず、原稿を一行も書けていない。ホームレスのような風貌で酒に溺れ、恋人のリンディ(アビー・コーニッシュ)も彼の元を去っていく。エディは街で、元妻メリッサの弟ヴァーノン(ジョニー・ホイットワース)と偶然再会する。薬品会社のコンサルタントを自称するヴァーノンはエディの窮状を知ると、開発されたばかりの新薬NZT48を差し出す。通常20%しか使われていない脳を100%活性化する薬だという。エディがその薬を飲むと、脳に埋もれていた過去の全ての記憶から情報を集める能力が覚醒し、一晩で傑作小説を書き上げる。翌朝目覚めると元の自分に戻っていたエディは、ヴァーノンを訪ねる。ヴァーノンは顔に殴られた跡があり、外出できないと言う彼の代わりにエディが用事を済ませに行く。エディが戻ると、部屋は荒らされ、ヴァーノンは死んでいた。エディは通報した後、新薬が狙われていることに気づき、薬を見つけて持ち出す。大量の薬を手に入れたエディの人生は一変し、さらに証券取引に挑戦する。エディは金貸し屋ゲナディ(アンドリュー・ハワード)から元手を借りて、10日間で1万2000ドルを230万ドルにする。大物投資家カール・ヴァン・ルーン(ロバート・デ・ニーロ)はエディに目をつけ、史上最大規模の会社合併の話を持ちかける。エディはリンディとの関係も修復し、成功を手に入れたかに思えた。しかし突然、エディの身体に異変が起こる。一夜を共にした女性が死体で発見されるが、前後の記憶が欠落している。エディはヴァーノンの顧客リストに電話する。すると、3人は死亡、あとは病気を患っていた。さらにリストの番号を押すと、数日前からエディを尾行していた男の携帯が鳴る。エディがとっさに逃げ出すと、男も追いかける。エディは男をまき、メリッサと再会する。やつれて変わり果てた彼女は、新薬に関する恐ろしい秘密をエディに告げる。(KINENOTE)
監督:ニール・バーガー
出演:ブラッドリー・クーパー/ロバート・デ・ニーロ
大統領を目指す元作家
ブラッドリー・クーパー演じる作家のエディは、作家としての信念とかは特になくて、単に成功者になりたいだけ。だから、能力を得てからは物語を書くことではなくて、自分の能力を社会変革に使うべきと考え始める。
それは別に悪くはないし、ラストを観るに彼は上院議員になり、将来は大統領にまでのぼりつめるであろうことが示唆される。確かに彼がそういう使命感に目覚めて世の中をよくしてくれる政治家になるんなら、それはそれでいいんだけど、なんかねぇ。だったら職業作家である設定なんてどうでもよくねぇかな。
そもそも、過去に触れた記憶を総動員して、処理された情報から導き出される最適解が傑作の物語になるってのが、意味分からん。投資の世界で成功する能力としてはわからんでもないけども、創作的能力もそうした情報処理の力が作品の良し悪しを左右するもんなんだろうか。
あんた容疑者じゃないのかね
次に残念というか中途半端なのは、エディは人殺しの容疑者なわけじゃん? あるモデルを殺した疑惑をかけられている。あれ、どうなったん? なかったことになってねぇか? それであんなハッピーエンド描かれても納得いきませんなぁ。
※ちなみに、この記事に対してコメント残した人によると、上記の疑惑については解消される描写があったらしい(本ページ一番下参照)。しかし後日、容疑者は判明していないというコメントももらいました。俺は覚えてないが、どっちだったんだろうね。はっきりしない記事書いちゃってますが、このブログではよくあることだ。ごめんな。両名ともコメントありがとうございます。
ラボ作る前に薬の生産者を見つけろよ
しかもあのラスト。デ二―ロを出し抜いてドヤ顔なのはいいとして、シナプスを結合うんぬんとか言われても、ようわからん。要するに薬の力に頼らんでもエディは100%自分の能力を使えるようになったみたい。それはいいけども、薬を大量生産して流通させる力をデ二―ロは持っているわけで、それを放置しちゃって彼は大丈夫なんだろうか。
ついでに、あれだけの能力得られる薬なら、生産している本拠を先に探すだろ。なんで放置してられるのか、意味がわからん。デ二―ロの買収先の会社が製造していたことは最後にわかる。けど、エディはそれを探しもしないで自分のラボをつくり、薬を服用せずに能力を引き出せる力を手に入れている。
なんでそんなことできるんじゃあ? 投資で儲けるのも大事だけども、まずは薬の出所を探して、常に自分ものにしておける策を考えるのが普通だろ。それを考えずに、薬の残りのことも考えずにその場の金儲けに走っているエディって、本当に頭がいいのかどうなのか。そこが理解に苦しむのである。
ラストもハッピーエンドで終わってるのもどうかと。あの復縁した恋人も、元のエディとは別人と付き合っているわけなんだが、いいのかね。社会的地位と金のある相手なら、誰でもいいのだという皮肉なんだろうか。
もう一捻り、何かがあるとよかったと思う。
いずれにしても、すごい薬だ
あの薬はもともと頭がイイ奴にしか効果が表れないようだ。それは非常によくわかる。脳ミソの倉庫に何の情報も入っていなかったら、あの薬によって導き出される何かがないわけだからな。だから、俺が飲んだとしても何の効用もないだろうと思われるのは哀しいが、通常時のエディもそんなにキレ者には見えないのであった。
いずれにしても、あの薬を服用することで得られる全能感ってのは、ちょっと味わってみたいとは思った。世に出回っているドラッグにもああいう効用が少しはあるもんなんだろうか。
コメント
容疑者の件は弁護士が似てる人を集めてなんとかごまかしただろちゃんと見てからもの言え馬鹿が
容疑者の件は似てる人集めてごまかしただけで、結局主人公が殺したのかどうなのかは判明せず放置されたままだろ、、、今更だけど↑のコメントしたやつこそ全く理解してないな