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映画『ガタカ』 雑草魂を持つ男が、地味にコソコソと頑張る傑作

ガタカ
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『ガタカ』 (1997)

解説:遺伝子操作により管理された近未来。宇宙飛行士を夢見る青年ビンセントは、劣性の遺伝子のため希望の無い生活を送っていた。そんなある日、ビンセントは闇業者の手配により、事故により身障者となった優秀な遺伝子をもつ元エリート、ジェロームに成りすます偽装の契約を結ぶ。そうして、ジェロームの遺伝子を借りてエリートとなったビンセントは、宇宙飛行施設“ガタカ”に潜り込む。が、そんな中、彼の正体に疑いを持っていた上司の殺人事件が起こり……。(all cinema ONLINE)

監督:アンドリュー・ニコル
出演:イーサン・ホーク/ユマ・サーマン/アラン・アーキン/ジュード・ロウ

ネタバレあり! この記事は2004年8月に書かれたものを修正しました。

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様々な要素が込められた傑作

この作品、実に面白いです。遺伝子操作の問題であるとか差別の問題であるとか、もっと日常的なことでは恋愛だとか友情だとか自分の人生においての夢であるとか、とにかくいろいろ描かれているであります。遺伝子操作ものの、近未来SFであります。

夢を叶えるとはどういうことか

この映画を見てわかるのは、夢や自分の目標というのは、それを叶えるにあたって、周りの人をないがしろにする行為になることもあるということですな。さらに、仮にそれを叶えたとしても、例えばこの作品の主人公は夢が叶った場合、宇宙に旅立ってしまうわけですから、大事な人たちとは当分会えなくなる。

要するに、夢や目標を達成するには、たくさんのものを犠牲にし、失う覚悟すら持たなければならんちゅうわけですな。

当たり前のことでもありますが、主人公、それになかなか気付かないんですな。最後まで、気付かないですな。それに気付いたら、夢なんて誰も叶えようと思わないで、無難に生きるほうを選ぶのかもしれないですが。

いずれにしても、やる人は最後までやり通すし、途中で別の道を選ぶ人は選ぶだろうし、要はどっちでもいいんですね。どっちを選ぼうが、本人の選択だし。

なれなくても、なりたいのだ!

ということで、イーサン・ホーク演じる主人公には「宇宙に行きたい、宇宙飛行士になりたい」という夢があります。そして、それに向かって頑張る。頑張るんだけど、彼、どんなに努力しても、本当は宇宙飛行士にはなれないんです。そういう境遇に生まれた人なんですね。だけど、なんとかしたい。それでちょっとした秘密の行動をしている。そこに絡むのがジュード・ロウですね。そして、ユマ・サーマンともいろいろありながら、恋愛関係になる・・・。

そんな彼の身近で殺人事件が起こります。殺人、主人公に容疑かかります。潔白ではありますが、それを強く主張できない弱みが彼にはある。なんとかして容疑の外に出られるよう苦心する・・・。この辺がスリルありますな。捕まったら宇宙、行けませんからな。

ちょっとした疑問もなくはない

様々な要素が無理なく絡み合っているので、最後まで本当に面白く鑑賞できる作品です。ただ、最後の弟との絡みがクライマックスである割にはそれほど余韻を残さないこと。そして、主人公、夢を叶えるわけですが、あの叶え方、階級差別を正当化してしまっているように感じるのであります。あれは、ちと疑問ですな。

そして、殺人の解決のされ方。あれもストーリー上、非常に重要な割にあっさり終わってしまって、拍子抜けではありましたな。とは言うものの、見ごたえのある、とても面白い映画です。

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