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書籍『孤独論: 逃げよ、生きよ』田中慎弥 感想 ニートは楽しい

孤独論 田中慎弥
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孤独論: 逃げよ、生きよ 田中慎弥著

石原慎太郎が選考委員で都知事だった頃に芥川賞を受賞した田中氏のエッセイ。「都知事閣下」がどうたらこうたら「(賞を)もらっといてやる」と述べて少しだけ話題になった著者の人生論みたいな話だ。

2017/2/9 徳間書店

内容紹介:仕事、人間関係、因習などにより、多くの現代人は「奴隷」になってしまっている。「奴隷」とは有形無形の外圧によって思考停止に立たされた人のこと。あなたも奴隷になっていないだろうか。自分の人生を失ってはいないだろうか。奴隷状態から抜け出す方法はひとつ。それはいまいる場所からとにかく逃げること。逃げて、孤独の中に身をおくことが、自分を取り戻す唯一の手段であり、成功の最短ルートだ。孤高の芥川賞作家による、窮地からの人生論。(Amazon)

内容作家デビューまで貫き通した孤独な15年間。追い込まれた者だけが知る最終兵器としての思考―。孤高の芥川賞作家、窮地からの人生論。(「BOOK」データベースより)

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本ブログの趣旨にかぶる部分があった

読後の感想としては、自分が若い頃に読んでいたらもっと感銘を受けたかもしれない書籍ということだった。中年になった今は、読んで共感する部分はあるけども、新たな発見はない。

発見することがないという意味では、俺は田中閣下(笑)のようには生きていないが、似たような考えをして生きているんだろうと思うところはある。人生を半分降りるというこのブログの趣旨を説明するために、参考になる書籍です。

こういう人が世に出て糊口をしのぐだけではなく食えているだけでもこの世はまだまだ健全で楽しいと思える。人生は半分降りるに限る。世の中の何かに違和感を抱いて生きている若い人は、手にとって読む価値がある内容だと思います。

孤独は大事だ。孤独から逃げても仕方ない

どういう内容かというと、「はじめに」にあるように、

本書でわたしは、日々働きながらもどこかでもやもやと煮え切らない思いを抱えている人に向けて、孤独であることの必要性を述べて見たいと思います。いまの世の中、放っておけばいつしか奴隷のような生き方にからめ(原文は漢字)取られてしまう。だから、意識的にそこから逃げていかなければならない。

周囲や社会と足並みを揃えて仕事をすることで対価を得て、生計を立てているのだと言われれば、もちろん反論できない。立派なことである。人生はだれのものであれ、基本的にたいへんです。生きていくのは楽ではない。

いや、そこなのです。だからこそ、です。仕事だからやっている。糧を得るために同調し、独りの時間すら持たず、好きなことに目を瞑る。端的に、それではつまらないのではないか。人生はたいへんである。ならばせめて、少しでもやりたいことをやれたほうがいい。おもしろいほうがいい。

ということで、大筋を言うと、自分の頭で考えろ、という話を展開していく。途中に小説家としての生活とか、読書のススメとかの章を設けている。他のも、引きこもり生活をしていたことに触れる部分がある。

ニートは、やりたいことだけやっていられる

田中閣下はさほど暇ではなかったそうだ。それは俺も分かる。俺も3年ほどニートをしていたことがあるけども、その間、やることがない。なんてことが全くなかった。本をバカみたいに読み。映画もアホみたいに鑑賞し、春から秋にかけては低山に登り、外をランニングした。

バイトは少ししてたけど、金がないので旅行などはできなかった。でも、やることがなくて暇なんてことは全くなかったのである。つまり、働かないでいられるなら働かなくても全然満たされた生活ができていたのだ。もちろんそれは、実家があったからだけど。

しかし、そういう意味においては、自分にはそういう生活が仕事をするよりも必要で、ああいう時間を必要としていたということだろう。孤独であることからは、どうあっても逃れられない。だから、みんなといっしょでなくても楽しく生きられるという意味での孤独を、味わう必要があったのではないか。今はそう思っている。そして、あの期間があったからこそ、自分は今、普通に社会人として生きられているのではないかと思っている。それが、田中氏が本書で触れている、世の中に溢れかえっている情報に左右されず、自分の考えでそれらを取捨選択して、利用して生きるということに他ならない。

惰性は守りに入っている証拠かも

そして、最後のほうで出てくるのが下記の内容だ。

どんな職種であれ、惰性は通用しません。もし惰性で仕事がこなせたとしたら、それは立場に甘んじているだけのことであって、生き方として二流です。奴隷の生き方です。

これについては、今の自分に一番身につまされる言であった。なぜなら、惰性で仕事をしているからだ。ここいらで、惰性にならずに働く術を今一度、つくり上げなければならないと思わされたのである。単なる備忘録みたいな記事なってしまったが。

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