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映画 ハートブルー ネタバレ感想 キアヌVSパトリック・スウェイジ

ハートブルー
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ハートブルー

連続強盗団を追うFBI捜査官のユタはカリフォルニアのビーチにいるサーファー集団が怪しいと感じて潜入捜査を開始。サーファーのリーダー・ボディと友情を深めていくが、彼らこそがユタの追う容疑者たちだったのだ。果たしてどうなってまうのか。社会的集団から外れて生きるボディとそこに共感しながらもその中間で生きようとするユタの友情物語。ネタバレあり。

―1990年製作 米 121分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:サーフィンのメッカ、カリフォルニアを舞台に連続銀行強盗事件を追う若手FBI捜査官の愛と友情を描くアクション映画。日本ビクターと「ダイ・ハード」のプロデューサーとして知られるローレンス・ゴードンとの提携によるラルゴ・エンターテインメントの第1回作品。エグゼクティブ・プロデューサーはジェームズ・キャメロン、製作はピーター・エイブラムスとロバート・L・レヴィ、監督は「ブルー・スチール」のキャスリン・ビグロー、脚本はピーター・イリフ、撮影をドナルド・ピーターマン、音楽をマーク・アイシャムが担当。出演は「マイ・プライベート・アイダホ」のキアヌ・リーブス、パトリック・スウェイジほか。(KINENOTE)

あらすじ:カリフォルニア、ベニス・ビーチで、元大統領のマスクを被った4人組による連続銀行強盗事件が勃発していた。捜査に当たるのはFBI捜査官パパス(ゲーリー・ビジー)と新しく赴任してきたジョニー・ユタ(キアヌ・リーブス)。2人は事件の手口からサーファーの仕業だと推測、ユタはおとりとしてサーファーたちの間に潜入ずることとなった。かつてフットボール選手としてならしたユタではあったが、サーフィンは初めて、海辺であった美人サーファー、タイラー(ロリ・ペティ)に教わることになり、いつしか愛し始めるようになる。サーフアーの生活にも慣れたユタは、サーファーたちから一目置かれているボディ(パトリック・スウェイジ)という男と出会う。ユタとボディは相反する関係ながら互いに信頼と友情を深めていく。しかし、ある日ふとしたきっかけからボディが犯人ではないかと疑い始めるユタは、その直後起こった強盗事件で犯人を寸前のところで逃す。しかし、一瞬見た瞳の中にボディを見るのだった。ボディもまたユタがFBIであることを知り、彼を消そうとユタをスカイダイビングに誘う。ボディはタイラーを参加することを強制する。しかし、これまでの90秒間、無血の仕事は守られず、仲間たちは次々と死んでいった。ユタは飛行機で逃走しようとするボディを説得するが、その際パパスは凶弾に倒れてしまう。逃亡に成功したボディは空中でユタに別れを告げ、空中に飛び出した。ユタはパラシュートもなくボディを追って空中に身を投じる。そして、そのまま大地に着陸、ボディは逃走した。1年後、50年に1度という大波が来る日、ユタはそこでボディを発見する。逮捕しようとするユタにボディは、一生に一度の機会にチャレンジする事を許して欲しいと申し出、それを許すユタ。そしてボディは波に消えていった。仕事よりも友情を取ったユタは自らバッジを捨て、彼もまた何処かへと去ってゆくのだった。(KINENOTE)

監督:キャスリン・ビグロー
出演:キアヌ・リーヴス/パトリック・スウェイジ/ロリ・ペティ/ゲイリー・ビジー/トム・サイズモア

ネタバレ感想

昔々、地上波で放映されてたのを観たことあったような気がするが、再鑑賞してみたくなってDVDを購入して鑑賞。動画配信が見つからなかったのだ。

内容はまったく覚えてなかったのでけっこう新鮮な感じで観た。ジョニーユタを演じた若き日のキアヌリーブスはかっこよいのが当然として、それに対抗するボディ=パトリック・スウェイジもいい味出してる。彼は『ゴーストニューヨークの幻』が日本では有名な気がするが、そのときの彼よりも長髪のサーファー役のほうが似合ってて、同一人物には見えなかったなぁ。

そのほか、すごいチョイ役でトム・サイズモアも出てた。さらにいい味だしてるのがユタの相棒役のパパスを演じたゲイリービジーだな。この人は『プレデター2』や『沈黙の戦艦』でどうしようもな無能バカを演じてた人で、その役柄のせいか“物凄いバカ”というイメージが俺の中で先行してたんだが、今作ではユタの相棒かつ先輩として非常にいい感じの男。であるから殉職しちゃうのが気の毒でありました。

ジョニーユタはボディ率いるサーファー集団に単身乗り込み、彼の元カノだったタイラーと恋仲に陥ることでボディたちとも仲良くなる。ボディは単なる危険大好きアウトドア野郎というよりは、その自然の驚異の中に己の肉体を投げ込むことで、悟りの境地に至ろうとしている求道者みたいなキャラ。常識的観点からするとついて行けないイっちゃってる奴なんだけど、そこに魅力があるのか仲間からは慕われている。で、なぜかそんな彼にユタは認められていくし、ユタ自身も彼に友情のようなものを感じていくのだ。

だがしかし、ボディは仲間と強盗を働いていたのである。金を奪っては世界の海を転々として波乗りをする生き方は、犯罪者とは言えなかなか羨ましい境遇であるとも考えられるし、その犯罪手法もプロ級なので、彼らはFBIも捕まえることができない。そこへ潜入してくるのがユタなわけで、彼とのかかわりがあったことで、強盗団は無茶な強盗をして自壊していってまうのだ。最後のヤマもいつもどおりにこなしていれば成功しそうなのに、ボディはどうして金庫室まで押し入るようにしたのか、その心境の変化は謎。

いずれにせよ、タイラーがユタに対してボディがいかに危険な男かを示唆しているように、ボディという男は社会の規範から外れた人間なのである。自然界と一体化して生きようとすることに己の存在意義を見出しているような感じなので、パッと見はただのサーファーの兄ちゃんなんだが、他の奴らとは目指していることが違うのである。単なる波乗りでもスカイダイバーでもないんだな。その先にある何かを求めているというか。そしてそのためには犯罪者であることも厭わない奴なのである。

その辺をタイラーはよく理解していて、だからこそ彼女は社会生活を営めているのであり、ユタにもそれを求める。ユタは社会の中にいながらもボディ的境界を越えた生き方にも共感する部分がある。ある意味境界線に立っている男で、だがしかし、これこそが人間の自立した姿と言えなくもない。社会に生きることのくだらなさと、息苦しさを知っていつつも、そこにとどまって戦うこともできる人間だからだ。

てなことで、友情を感じつつも二人は当然対立することになり、ユタはパパスを失いながらもボディを追い詰めていく。最終的にボディを捕まえるのではなく、彼が求める究極の波の中で死ぬことを選ばせてやったことにユタの彼に対する友情があるのだろう。

 

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