映画『ジェーン・ドウの解剖』ネタバレ感想 ラストのセリフって何なの?

ジェーン・ドウの解剖

なかなか楽しめるホラー作品でした。個人的にはジェーンとトミーの対決シーンと、ラストのセリフが気になったので、いろいろ考えた。そのあたりについての感想を述べる。ネタバレあり。

―2017年公開 英 86分―

解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「トロール・ハンター」のアンドレ・ウーヴレダル監督によるホラー。検死官トミーと息子オースティンは、緊急の依頼を受け、3人が惨殺された家屋から裸で見つかった女性の検死を行う。だが解剖を進めるにつれ、怪現象が発生。遺体に隠されたある事実が判明する。出演は「ローン・サバイバー」のエミール・ハーシュ、「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」のブライアン・コックス。

あらすじ:バージニア州の田舎町。経験豊富な検死官トミー(ブライアン・ コックス)は、息子のオースティン(エミール・ハーシュ)とともに遺体安置所と火葬場を経営している。ある夜、地元の保安官から緊急の検死依頼が舞い込む。それは、3人が惨殺された家屋の地下に裸で埋められていた身元不明の美女ジェーン・ドウの検死であった。いつも通りの検死だと思われたが、メスを入れる度にその遺体に隠された戦慄の事実が判明し、次々に怪奇現象が発生。外では嵐が吹き荒れ、遺体安置所という閉ざされた空間で逃げ場のない恐怖がはじまろうとしていた……

監督:アンドレ・ウーヴレダル
出演:エミール・ハーシュ/ブライアン・コックス/オフィリア・ラヴィボンド/オルウェン・ケリー

ネタバレ感想

キレイな死体

なかなか面白く観た。でも、そんなに恐ろしさを感じる内容でもなかったような。見どころとなるのは、遺体であり物語に恐怖をもたらす存在となるジェーン・ドゥだろう。日本語に訳すと「名無しのゴンベイ」たる彼女、エロスは感じないものの、最初から最後まで美しい死体である。ここは本作の大きな見どころであると思った。

登場人物の過去が知りたい

個人的にはもう少し検視官の親父(トミー)と奥さん、そして息子(オースティン)の関わりを説明してほしかった。トミーは奥さんを数年前に亡くしているらしく、つまりオースティンも母に死なれているわけだが、奥さんは恐らく自殺したんだと思われる。

「太陽のような女性だった」とトミーは振り返るが、実は内面にはかなりの闇というか苦しみを抱えていたらしい。それが何だったのはよくわからんし、自殺したというのは俺の想像なんで、本当のところは謎。

ただ、オースティンは妻を亡くしたトミーのことを気遣っているようで、家を出ていきたいのに出ていけない。それを自分の彼女にたしなめられたりするので、かなり父親思いの好青年であることがわかる。だけど、そうした人間関係があまり活かされていないようなところは残念ポイントだ。

ジェーンはオースティンをどうしたかった?

てなことで、いろいろあってトミー、オースティン、オースティンの彼女の主要人物3人は、ジェーン・ドゥの魔力? によって全員死亡する不幸なラストを迎える。ジェーン・ドゥが元から魔女だったのか、魔女狩りみたいなのにあって拷問を受けた末に魔女的力を得たのか、どっちかはよくわからん。わからんけど、そこはまぁどうでもいい。

気になったのは、息子の死に様である。トミーが息子を守りたいがために、「あんたの味方をするから、息子を苦しめないでくれ」と懇願する。で、トミーはジェーン・ドゥが受けた拷問と同じ苦しみを味あわせられることに。

トミーがその苦しみを受けている間、解剖されて腹が開かれているジェーンの体はどんどんと復元していく。なるほど。トミーが犠牲になることで、ジェーンは元の死体としての肉体に戻ろうとしているらしい。トミーは死亡する。てことは犠牲になったのだから、オースティンは助けてもらえるのかと思ったら、そうはならないのだ。なぜなのか。

トミーはあまりの苦痛に耐えられず、オースティンにナイフで心臓を刺してもらう。ジェーンにしてみれば、それは不満なのではないか。なぜなら、自分の受けた苦痛を最後まで味わうことなく楽になることだから。そこで、ジェーンは、やはりオースティンも殺すことにした。ただ、「苦しませないでくれ」という約束は守ってやる。だからオースティンの死に様は一瞬で絶命に至る転落死であったのだ。

とはいえ、仮にトミーが苦痛を全て受けた上で死んだとしても、オースティンが助かったのかどうかはわからない。いずれにしてもジェーンは、彼を苦しめずに死なせたのかもしれない。

最後のシーンが謎すぎる

あと、最後のシーンが俺にとっては謎であった。ジェーンがどっかの大学に運ばれることになる、その輸送中のシーンだ。ドライバーの保安官? が「もう二度としないよ、約束する」と車の後方に寝かせられているジェーンのほうを振り向きながら述べるけど、あれって何なの?

あの保安官はその言葉をジェーンに向かって言っているのか? そうだとしたら、彼は何者なのか。それとも、自分の彼女に向かって話でもしているのか。でも、運転中だし、携帯を持って話しているわけでもないし、肩につけた無線に向かって話しているようには見えない。そもそも、自分の恋人と仕事で使う無線で話すとは思えない。

だとするとやはり、ジェーンに向かって喋ったと考えるのが妥当と思うのだが。その部分を何度繰り返して観てもよくわからんかった。もしかして鼻歌なのかとも思ったがそうでもないようだ。で、ラジオからは聖書のへブル書の第四章がどうのという音が流れたあと、作中で出てきた歌が流れてエンドロールに入る。

聖書の言葉に意味があるのかと該当の部分を調べて読んでみたけど、核心に触れるようなところは発見できず、けっきょく何だかよくわからんのであった。もしかしたらあの保安官? はらすと以外のシーンにも登場していたのだろうか?? でも、他のレビューとか探してみても、そこに気になって言及している人の文は見つからないので、気にしているのは俺だけのようだ。

※と言ってたけど、気になった人は結構いるようで、この記事閲覧して「あれはジェーンとやったのではないか」とツィッターで言及した人がいた。なんか、妙に納得できる指摘でした。2018年10月8日 同年11月28日、別の方から「Bluetoothイヤホンで恋人と通話中だった」というコメントもいただきました!(記事末参照) マジか、ぜんぜん気付かなかった(笑)。

いずれにしても、短くまとまっていて、なかなか楽しめた作品である。

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コメント

  1. mj より:

    輸送中のシーン、ドライバーの耳にBluetoothイヤホンらしきものがありますけど…Bluetoothイヤホンじゃないんでしょうか?
    恋人と通話中だと思ってました。

    • hanori より:

      イヤホンですか! ぜんぜん気付かなかったです(笑)。それならあのシーンに特に違和感ないですよね。mjさんコメントありがとうございました!

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